2011/05/31

ヒッタイトのスフィンクス像をドイツからトルコへ返還

ハットゥシャのスフィンクス象
ベルリンにあるヒッタイトのスフィンクス像が、トルコに返還される。

このスフィンクス像は3000年以上前のもので、1934年以来ベルリンのペルガモン博物館にあったもの。この像がドイツとトルコの友好の証として返還されるという。

引渡しは11月28日に行われる。
この日は像が発見されたハットゥシャがユネスコの世界遺産に登録された25周年に当たる。

今後ドイツとトルコは博物館や考古学の活動で協力していくことを予定しており、この返還はその一連の活動の一部である。


ハットゥシャの獅子門
スフィンクス像はヒッタイトの首都ハットゥシャ(現在のボガズキョイ)の門に本来あったものであり、紀元前14~13世紀のもの。1907年にドイツの考古学者が参加していたトルコによる発掘調査の際に発見された。1915年と1917年に、スフィンクスの破片は修復と分析のために、10000に及ぶヒッタイトの粘土板文書とともにベルリンの古代近東博物館に送られた。

2つあったスフィンクス像の状態は良くなかった。火を受けていたことで、粉々に砕けていたのである。形のわかる破片は1920年代に接合されたが、いくつかの大きな部分は復元することができず、空白の部分は石膏で埋められた。

最もよい状態のスフィンクスは、分析を終えクリーニングと修復が完了した粘土板文書と一緒に1924年にイスタンブールに返還された。これらは現在イスタンブールの考古学博物館に収蔵されている。状態のよくない方は、イスタンブールに返還されたもののレプリカと一緒に、ベルリンのペルガモン博物館にこれまで展示されていた。

この2つ目のスフィンクス像の返還要求は、1938年にまず出された。
ベルリンの壁の崩壊の2年前、1987年に、第2次世界大戦の影響でベルリンに残されていた7000枚の粘土板文書が当時の東ドイツ政府によって返還された。
ベルリンの東西統一の後に、トルコ政府はベルリンにあった残り一体のスフィンクス象の返還運動
に力を入れていた。
その念願が、今回叶ったわけである。

Germany to return ancient sphinx to Turkey

0 件のコメント:

コメントを投稿