2011/04/29

タイタニック号事件の被害者の子供 DNA分析で同定

豪華客船タイタニック号が沈んだ5日後の1912年4月21日、救助船のクルーMackay Bennettは大西洋の海からおよそ2歳前後の金髪の子供の遺体を引き上げた。
この子供の遺体は他の多くの犠牲者と同様に、ノヴァ・スコシア州のハリファックスにある墓地に埋葬されている。Mackay Bennettは埋葬に「不明の子(unknown child)」という墓標を捧げた。

タイタニック号の沈没では、乗船者2209人中1497人の命が失われた。
遺体は発見することができたものがあっても名前がわからないことがあり、その他の多くは現在も不明である。
しかし、この「不明の子」が誰の子で、どのような名前であったかを、ついに同定することができたという。この子は生後19ヶ月で、イギリスから来たSidney Leslie Goodwinであったと結論付けられている。

2011/04/27

絶頂期のファラオの巨大石像発見 エジプト・ルクソール



エジプト・ルクソール西岸にある、古代エジプト新王国時代のファラオ、アメンヘテプ3世の葬祭殿で、このファラオの巨大な石像が発見された。

石像は高さが13mあり、葬祭殿の北側の入り口に立てられていた2体の内の1つ。
現在はこの像を中心に発掘が行われている。

イースター島の謎 新説の登場

イースター島の新石器時代の人々が自らを破滅に追い込んでしまったとする、新しい説を唱えた本が、今年の夏に発売する。
イースター島の原住民に関する議論を呼びそうだ。

イースター島はモアイと呼ばれる何百もの人の顔の形をした石像が、島の海岸に列になって立てられていることで有名な島。
島の原住民はラパ・ヌイという名で知られている。

2011/04/26

クマのDNAから壁画の年代を推定 フランス・ショーヴェ洞窟

1994年、Jean-Marie Chauvetはフランス南東部で動物の壁画が描かれた洞窟が発見された。
この洞窟は発見者の名にちなんで、「ショーヴェ洞窟」と名づけられた。

発見から1年以内に、放射性炭素年代測定法によって、洞窟の壁画は3万年から3万2千年前のものとされた。これは南西フランスにある有名なラスコーの壁画より2倍も古い数値となる。この測定結果は考古学界を二分する論争となった。

2011/04/25

チベットの古代文書で脳外科手術の記述発見

脳の外科手術が2900年前の医師に行われていたことが、チベット文化と文学の専門家による40年に及ぶチベットの古代の百科事典「大蔵経」の調査によって明らかになった。

ラサのチベット大学・チベット言語・文学科准教授Karma Trinleyによれば、2900年前のチベットの大蔵経が何故、またどのようにして脳の外科手術を行うのかについて、明瞭に述べているという。

利き腕は50万年前からあった? 最新の研究成果

右利きは左利きより圧倒的に多く、その割合は9対1である。利き腕は人間の特徴でもあるが、人類の歴史の中でいつ頃から「右利き」が存在するようになったのだろうか?

この問いについて、研究者は古代の道具や、先史時代の絵、人骨などから調査を行ってきたが、まだ決定的な結論には至っていない。

カンザス大学の人類学教授David Frayerは、化石化した人骨の前歯を観察することで、右利きの存在が50万年前にさかのぼることを明らかにした。

中国で西周時代の謎の王国発見される

紀元前1046年にさかのぼる、西周時代のこれまで知られていなかった王国の痕跡が、中国北部で発見された。

2011/04/24

不法投棄の有毒廃棄物の下から古代ローマ時代の墓 イタリア

イタリア・ナプレス近郊で不要に登記された有毒廃棄物の山の下から古代ローマ時代の墓が発見された。

乱雑に広がった紀元後2世紀の墓は全面にしっくいによる装飾が施されたものであり、60トンに及ぶ不法に廃棄されたゴミの下から発見された。

2011/04/23

オランダの巨石墓 火事で壊れる

オランダ・ドレンテ州の支石墓が火事になり、その熱で巨石の1つに亀裂が入り、砕けたと地元の警察が19日に伝えた。

2011/04/22

鉄器時代の要塞で行われた殺戮の証拠 イギリス

ダービーシャーの要塞遺跡から鉄器時代の戦争に関連する虐殺の証拠が発見された。

ピーク・ディストリクトのフィン・コップにある要塞の周りにある溝の一画から、9体の骨がが発見され、さらに数百体分の骨が溝に残っているだろうと研究者は予測している。

人類の祖先を生み出したアウストラロピテクス 新たなる発見

人類の進化に関する稀有な発見の中でも、人類の仲間であった猿人の骨格の一部が発見されるのはとりわけ珍しい。

ところが、南アフリカの研究者が初期人類の新種、アウストラロピテクス・セディバの骨を、少なくとも4体分見つけるという、驚くべき発見があった。

2011/04/21

トピック:2100年までに人類が生き残る確率50%? 天文学者の見解

天文学者Martin Rees卿は、今週のエジンバラでの討議で、人類の文明がが2100年までに人災が起きることなく生き残る確率は50%である、という警告を発する予定だという。

Rees卿によると、人類は自らが招いた問題、たとえば地球温暖化や過度の人口増加の脅威にさらされているだけでなく、アルカイダ型のテロリストグループが核兵器を所有することがありえるという。

資源採掘会社とアボリジニの対立 オーストラリア

採掘会社がオーストラリア・クイーンズランドのアボリジニ文化遺産法をかいくぐって聖域を破壊している、と地元の研究者が語った。

申し立てによると、クイーンズランドの炭層ガス会社が、ダルビーの近くにあるコガン(Kogan)の古代アボリジニの石の遺跡を破壊しているとのこと。

ガゼルを絶滅に導いた古代の壁 シリア、テル・クラン遺跡

中東の乾燥地で先史時代の狩猟採集民が、野生のガゼルの群れを追いこむ壁を築いて狩猟を行い、結果としてこの地域のガゼルの絶滅に追い込んだ可能性が報じられている。

捕殺されたガゼルの大量の骨が、シリア北西部、ハブール川流域のテル・クラン(Tell Kuran)遺跡から発見された。
ここでは1930年代から重要な考古学的発見が報告されるようになっており、6000年前の100体に及ぶガゼルの骨の層が最近発見された。

2011/04/20

エジプト考古省ザヒ・ハワス氏 懲役は免除?

 エジプト考古省のザヒ・ハワス氏が1年間の懲役と罰金を受ける判決が出されたことは、本誌でも取り上げた(記事)。

これに対して、ハワス氏は自身のホームページに声明を出しており、それによれば懲役などの刑罰を受けないことが公的に認められたと主張している。以下は、ホームページに出された声明の内容。

2011/04/19

イギリス・カンブリアのローマ時代の住居を復元

イギリス・ウェールズのカンブリアにあるローマ時代の住居址で調査を行っている考古学者が、その絶頂期の様子の詳しい紹介を行っている。

遺跡はブロアムの近くにあり、2008年に下水のパイプライン施設のための工事を行っていたユナイテッド・ユーティリティース社のエンジニアが発見した。

エジプト考古省 ザヒ・ハワス氏懲役1年

17日、エジプト考古省のザヒ・ハワス氏が土地争い関する判決の受け入れを拒否したため、1年間の懲役を宣告された。

エジプトの刑事裁判所によれば、ザヒ・ハワス氏は政府の役職を解任され、罰金1000エジプト・ポンドの支払いが命じられた。

2011/04/18

キリストの磔に使用した釘 考古学者は「根拠なし」

キリストの磔刑で使用された釘が発見されたということで、その真正性について、議論が巻き起こっている。

カナダのユダヤ人映画監督シムチャ・ジャコボビッチ氏が、2本の錆びて折れ曲がった釘を持っており、彼がイェルサレムでの20年前の考古学的発掘で発見された遺物だと主張している。今月の下旬に放映されるヒストリー・チャンネルのドキュメンタリーでは、これらの釘が2000年前にキリストを十字架に打ちつけた釘であったことを証明する試みである。

ローマ時代のペンダント、その形は・・・

金色に輝くローマ時代のペンダントがイギリスのノーフォークで発見された。
金製であり、形はなんと男性の陰茎の形をしていて、金属探知を行っていたKevin Hiller氏によって今年の初め頃に発見されていた。

エジプト・王家の谷 新たなる謎

エジプト・アメリカリサーチセンター(American Research Center in Egypt (ARCE))の最近の定例研究会で、エジプトのルクソールにある王家の谷調査の新たな成果が報告された。


2011/04/16

ペーパーレス調査 国際学会で注目

新しい技術が、長年行われてきた考古学の記録方法に革命を起こすかもしれない。

シンシナティ大学の研究者グループは「ペーパーレス・プロジェクト:ポンペイ発掘におけるiPadの利用(原題:The Paperless Project: The Use of iPads in the Excavations at Pompeii)」という題で、CAA(Computer Applications and Quantitative Methods in Archaeology、考古学におけるコンピュータ・アプリケーションと統計的手法の利用)の国際学会で発表を行った。

2011/04/15

トピック:現代でもソクラテスが通用する10の理由

ソクラテスがアテネの通りで彼の哲学を説き、雄弁に語ったのは今から2500年も前のことである。しかし、ソクラテスの言葉やアイデアは21世紀においても真実の響きを持っている。なぜだろうか?

2011/04/14

南アメリカで最古の繊維 1万2000年前

4月に発刊されたCurrent Anthropology誌によると、南米ペルーの洞窟で布とロープの断片が発見され、1万2000年前のものであることが分かった。
これは南アメリカで最古の例となる。

2011/04/13

エジプトの地下迷宮 大量の生後間もない子犬のミイラ発見

エジプトの砂漠の地下迷宮の発掘で、主に犬とジャッカルによる何万もの動物の遺体が発見された。驚くべきことに、多くは生後1日から数時間で殺され、ミイラ化されたようである。

犬のカタコンベとして知られるこの場所は紀元前747~730年頃のものであり、古代エジプトのジャッカルの頭をした墓の神アヌビスに捧げられたものである。

初期キリスト教の「鉛文書」 偽物の可能性が指摘される

70におよぶ金属製の本がヨルダンの洞窟から発見されており、キリスト教に関する最初期の文書として注目を浴びている。
キリストの死の約10年後に書かれたとされている。研究者達は「鉛文書」と呼び、歴史上最も重要な発見としてもてはやし、主要メディアが「鉛文書」研究の成果を報道して過熱気味になっている。


しかし、鉛で鋳造されたクレジットカードサイズの板が、鉛のリングによってつなぎあわされたこの「鉛文書」について、その信ぴょう性に対する疑問が徐々に沸き起こってきている。
現在、あるアラム語の翻訳者は文書の分析を終え、これが偽物であるという動かし難い証拠を発見したと述べている。

文化財を守るための特別警備隊を組織、エジプト

カイロのAP通信によると、エジプトの文化庁は横行している盗掘、盗難を受け、国内の遺跡、博物館を守るための特別警備隊を組織すると報じた。

世界遺産タンロン王城、泥水に沈む

ベトナム国会の建物の建設の影響で、世界遺産タンロン遺跡の城塞が破壊されてしまったと、ベトナムの考古学研究所が報じた。

遺跡の北側を保護してた壁の一部が崩壊し、遺跡が立地している土の層が破壊された模様。
泥水が国会建物の建設現場から溢れてきたため。

エジプト カイロのデモで博物館から盗難された展示物が一部戻る

デモでカイロのエジプト考古学博物館から盗難された遺物の内、4つが発見された。

インドでドルメンを発見

インドのデカン大学の考古学者が、ナグプール(Nagpur)から150kmにあるチャンドラプール(Chandrapur)付近の村シャンカルプール(Shankarpur)で、巨石文化時代(紀元前3世紀)または鉄器時代の4つのドルメンを発見した。

このような形式の埋葬は遺跡が位置する州ではきわめて稀であり、ドルメンの内の1つはインドでも最も大きいと報道されており、重要な発見となっている。

2011/04/12

ネアンデルタール人はなぜ滅んだのか? 最新の研究成果

我々人類の直接の祖先は、アフリカ大陸を出て世界各地に拡がっていったが、その過程ではるか昔に分化した親戚「ネアンデルタール人」にであったはずだ。
一般的には、ネアンデルタール人は野蛮で、文化的で知的なホモ・サピエンスとは比ぶべくもなく、すぐに絶滅してしまったと言われている。

しなしながら、ネアンデルタール人は偶然不幸な目にあって絶滅してしまったと主張する数学者達もいる。