2011/04/22

鉄器時代の要塞で行われた殺戮の証拠 イギリス

ダービーシャーの要塞遺跡から鉄器時代の戦争に関連する虐殺の証拠が発見された。

ピーク・ディストリクトのフィン・コップにある要塞の周りにある溝の一画から、9体の骨がが発見され、さらに数百体分の骨が溝に残っているだろうと研究者は予測している。
鉄器時代の丘陵の要塞 ハントフォード、イギリス

丘陵にある要塞の建設は紀元前440年から紀元前390年の間であり、完成まで破壊されていた。
要塞の石製の壁に利用された石は粉々になり、400mに及ぶ溝を埋めるのに利用された。遺体が発見されたのはその溝である。

鉄器時代の戦争

この発見は前ローマ期のブリテン島での戦争に関する稀有な証拠となる。
これまで考古学者の中では丘陵の要塞は権力、繁栄、地位の誇示のためのものであると考えられており、ブリテン島の鉄器時代の戦争はまったく見えてこなかった。

しかし、フィン・コップで埋まっていた遺体は、急いで建設された要塞は、実際の脅威に対する防御的な反応であったことは確からしい。

骨は女性、幼児、小児と10代の男性のものであった。研究チームは、おそらくこれらの人々は要塞が襲撃され、占拠された後に起こった虐殺の結果ではないかと考えている。

動物の骨も溝から発見されていることから、要塞に居住していた者が牛、羊、豚飼っていたと考えられる。
また、馬の残骸も発見されており、要塞には地位の高い人物がいたことを示している。

フィン・コップで発見された人骨と動物の骨の残存状況は良好であった。
これは石灰岩質の土壌が一部関係しているだろう。
アルカリ性の物質は骨を含めた有機物の崩壊を妨げる働きがある。

これはつまり、他の遺跡で鉄器時代の戦争の証拠がないことと関係している。
多くの要塞は砂岩性の土地に建設されており、土壌に含まれる酸性物質が有機物の崩壊を促進してしまうのである。

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