2011/04/22

人類の祖先を生み出したアウストラロピテクス 新たなる発見

人類の進化に関する稀有な発見の中でも、人類の仲間であった猿人の骨格の一部が発見されるのはとりわけ珍しい。

ところが、南アフリカの研究者が初期人類の新種、アウストラロピテクス・セディバの骨を、少なくとも4体分見つけるという、驚くべき発見があった。
アウストラロピテクス・セディバの頭蓋骨

発見者によれば、このヒト亜科は現代人に似た痕跡を有しており、この種がわれわれの直接の祖先である可能性があるという。

4人の猿人は南アフリカのマラパにある洞窟で、約200万年前に穴に落ちて死んだようだ。

若者と年長の女性の骨格の一部は昨年のサイエンス誌で報告されたが、調査者はさらに18ヶ月の幼児と少なくとも1人の成人の骨が発見したと報告している。

これは、アウストラロピテクス・セディバの幼児から老年までの成長過程を見ることができるということだ。

アウストラロピテクス・セディバは200万年から300万年前の、我々人類の直接の祖先が出現した直後の時代を生きていた。
研究者たちはどのアウストラロピテクスの種から我々の祖先が派生したのか、長年議論してきた。
ルーシーの種であるアウストラロピテクス・アファレンシスが候補にあがっていた。

発見された骨は保存状態が良く、鎖骨、肩甲骨、肋骨や完全な頭蓋骨、手、足、骨盤などが残っていた。

研究者たちはこの骨をアウストラロピテクス類と呼んでいる。というのは、脳のサイズが小さく、骨格全体がアウストラロピテクス類と良く似ているからだ。この種は絶滅してしまった人類の親戚であり、100万年から400万年前にアフリカに生存していた。
長い腕を持ち、サルのような原始的な胸部とかかとを持っていた。

しかし、この化石には我々の種だけに見られるような、驚くべき痕跡が見られる。とりわけ、2つの骨盤はヒト属のように容量が大きく、長いという特徴がある。

その他、歯が小さい、短い指、長い親指などが人類に近い。

また脳の外面の様子が頭蓋骨に残る痕からわかっており、頭蓋骨の額から基部に至る脳の最も上の部分、前脳が現代人のように形成されていた。

もしそうであるならば、アウスラロピテクス・セディバの脳と骨盤は、脳が大型化する前により現代的な形へ進化を始めていたことになる。これは、脳の巨大化によって脳の大きい胎児を受け入れられるようにするために、骨盤が変化していったとする従来の説と異なる。

もっとも、我々の種はこの時代にすでに出現していたので、発見された化石は我々ヒト科の直接の祖先とはならない。

しかし、彼らはヒト科を生み出したアウストラロピテクス類の中の子孫か、もしくは近い親戚であり、祖先の姿に新たな光をなげかけてくれている。

Four individuals caught in 'death trap' may shed light on human ancestors

0 件のコメント:

コメントを投稿