2011/05/30

ギザの大ピラミッド・秘密の通廊の先にある謎のマークを発見

クフ王のピラミッド
ギザの3大ピラミッドの中で、クフ王のために建てられたものがエジプトで最大の規模を誇る。
このクフ王のピラミッドには、秘密の部屋につながる隠された通路があるとうわさされてきた。

その謎を解く鍵として注目されるのが、ピラミッド内部の「シャフト」だ。このシャフトに関する最新の研究成果が学術雑誌に報告された。

ピラミッドには4つの細いシャフトが確認されていたが、その用途については良くわかっていない。
ピラミッドの内部
シャフトは幅、高さともに20cm程度であり、人が通ることはできない。

そのうち2つは、ピラミッド内の一番上にあたる部屋「王の間」から伸びているもので、外に通じていた。
しかしその下にある「女王の間」から伸びている2つのシャフトは外には通じていないことがわかっていた。

シャフトは斜め上に向かって伸びており、用途は明らかではないが、通気孔もしくは亡きファラオの魂が来世へと向かうための通廊という説もある。



1993年には、ドイツのルドルフ・ガンテンブリングによってロボット(「ウプウアウト(UPWAUT)」と名付けられた)を用いた調査を女王の間の南側シャフトで実施した。
その結果、女王の間から伸びているこの小さな通路だけは外部へ通じていないばかりか、ピラミッド内の回廊を避けて設計されており、独立した通路として別に長々と蛇行していた事が明らかになった。

ガンテンブリンク・ドア
さらに、通路入口より65m程先に、銅の取っ手が取り付けられた厚さ6cmほどの石灰岩の扉で閉じられた部屋がある事が判明した。
その後の調査で、扉にドリルで小さな穴をあけ、そこにファイバースコープを差し込んだ結果、扉の向こう側にヒビの入った壁が確認された。
扉は、ガンテンブリングの名前から「ガンテンブリンク・ドア」と呼ばれるようになった。

その後、エジプト考古庁のザヒ・ハワス博士によって、ロボットを用いた北側と南側の両方のシャフトでの調査が実施された。
南側と同様に北側でも、銅の取っ手のある扉が発見されただけだった。

そこで、ザヒ博士は謎の扉の向こうにあるものを調査するために国際的な調査隊「ジェディ・プロジェクト(Djedi project)」を立ち上げた。
ジェディとは、クフ王がピラミッドの建設計画の際に助言を求めた呪術師である。

ロボットのコンペティションが行われ、アメリカ・リード大学で制作されたものが選ばれた。
調査はまずガンテンブリンク・ドアと呼ばれた南側シャフトから実施された。

これまでの調査で用いたロボットのカメラは、正面しかみることができなかった。
しかし、今度のカメラは筒状でドリルで開けた穴にもカメラを通すことができ、頭を蛇のように曲げることができる。

カメラはドリルで開けた穴の向こうにある、4500年前に書かれた朱色のマークの映像を送ってきた(写真は複数の視点で撮影したものをつなぎ合わせたもの)。

いったいこのマークは何を意味しているのか。今後の研究が待たれる。

また、ドリルで開けられた扉の反対側の面についても、確認することができた。
表面は磨かれており、シャフトの中にゴミなどが入らないようにするための、ただの留め石ではないことが予想されるという。

部屋の扉に取り付けられた2つの銅製の取っ手の詳細な写真も送られてきた。
取っ手の目的をめぐっては諸説があったが、今回の写真により、そうした実用品ではなく装飾品ではないかとの見方が強まったと専門家は指摘している。

ロボットは来月による踏み込んだ調査に移るという。
ロボットには、19mmの穴を通ることができるミニロボット、ドリル、超音波によって壁の厚さを図る装置など、様々な装置が取り付けられている。

次のステップでは、奥にある方の壁を精査し、これがまた別の扉なのか、もしくは石のブロックの塊なのかを明らかにする方針だという。
その後、北側のシャフトの調査に移る予定。

調査チームは2011年末までに作業を終え、詳細な報告が2012年の初めごろに提出される。

Pyramid-Exploring Robot Reveals Hidden Hieroglyphs

1 件のコメント:

  1. oorionnjunko@yahoo.co.jp2015年12月24日 11:38

    「部屋の扉に取り付けられた2つの銅製の取っ手の詳細な写真」を是非確認したい。このピラミッドに関係した「王」の「シンボルマーク」かもしれないーと憶測する。

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