2012/04/06

人間に解体された?1万年以上前のマンモス発見

シベリアの北極海沿岸で発見された子どものマンモスに、人間によって解体された痕跡があることが分かった。
発見されたマンモス「ユカ」 Credit: F Latreille/Mammuthus/MCE
良好な保存状態で発見されたこのマンモスは、「ユカ(Yuka)」と名付けられた。
少なくとも1万年前のもので、この地域の人間活動との関わりを示す遺体は初の事例だという。

遺体は形をとどめており、肉の多くはそのままて、まだピンク色をとどめていた。
表面の毛皮も残存している。

ミシガン大学古生物学博物館長であり教授でもあるDaniel Fisher氏は、国際的な調査チームと「ユカ」の分析を行った。

放射性炭素による年代測定結果はまだ出ていないが、ユカが死んだのは少なくとも1万年前で、より古い可能性もあるという。ユカは2歳半の時に死んだようだ。

「皮膚にある回復していない引っかき傷や、尾にある噛まれた痕跡から見て、ユカは1体または複数のライオンか、もしくは別の大型動物に追われていたようだ。ユカはその後に倒れ、後ろ足の下の骨を折っている」とFisher氏。
この時点で人間が来て、解体を行い、必要な部位をすぐさま取っていったと考えられている。

「その後人間達は、保管して後で利用できるように、遺体を埋めている。つまり、残存していたのは、その後回収されることのなかった、人間達の“残飯”だったというわけだ」

Fisher氏の説明によると、取り除かれたのは体内の中心部の塊であり、内臓や脊椎、肋骨とそれに付随する筋肉組織、そして足の上部の筋肉などが含まれる。
足の下部と鼻は手をつけられていなかった。

現在、マンモスをクローン技術で復活させる研究も行われている。
良好な保存状態のマンモスは、こうした研究にも重要な資料となるようだ。

Young Mammoth Likely Butchered by Humans


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