2011/07/13

大西洋のアゾレス諸島でカルタゴ人の遺跡を発見

ポルトガル考古学調査協会(Portuguese Association of Archeological Research:略称APIA)は、ポルトガル領のアゾレス諸島において、紀元前4世紀以後のカルタゴ人による女神タニトの神殿を発見した。
アゾレス諸島はポルトガル沖約1000kmの大西洋上にある。
1427年にポルトガル人によって発見される前のアゾレス諸島における人類の足跡は、これまであまり知られていなかった。

遺跡はテルセイラ島のモンテ・ブラジル、アングラ・ド・エロイズモで発見された。
APIAの考古学者Nuno Ribeiro氏とAnabela Joaquinito氏によれば、5つ以上の地下神殿と、少なうとも3つの岩を掘ってつくられた聖域が発見されている。
地下神殿

発見された遺構には岩に掘り込まれた水槽があり、水をささげるための水路につながっていた。
岩に掘り込まれた椅子や、植物に覆われた儀式的な槽、多くの柱穴が残っていた。
柱穴はこの場所に覆い屋があったことを示している。

APIAの調査隊によれば、1つ目の神殿には4つの水槽があって、儀式での献水に使用する新鮮な水を集めるための水路へとつながっているという。
献水は犠牲の儀式に使用された可能性が高いと考えられている。

2つ目と3つ目の神殿はフォルテ・デ・サン=ディオゴという地域に位置しており、先月6月に発見されていた。

最近では、イスラム教スンニ派によって書かれた文字がサン・ミゲル島とテルセイラ島で発見された。
その前にはカルタゴとギリシアの多くの硬貨がコルヴォ島から発見されており、また多くの先キリスト教時代の地下構造物がテルセイラ島、コルヴォ島から見つかっていた。
同様の発見はサンタ・マリア島やフローレス島でも報告されている。

これらの発見から、15世紀のポルトガルによる占領以前に、人類がアゾレス諸島で活動していたということが、はっきりと言えるようになってきている。

Carthaginian temples found – Azores

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