2011/07/20

あなたにもネアンデルタール人のDNAがある

「現在の人類には、ネアンデルタール人のDNAが混じっている」ことが、新たな研究成果によって確認された。
これまで、現生人類とネアンデルタール人の異種交配の可能性については言及されてきたが、それを裏付ける形になった。
現生人類(左)とネアンデルタール人(右)

カナダのモントリオール大学セント・ジャスティン大学病院研究センターのDamian Labuda氏が共同研究者とともに成果を公表した。
彼らの研究によると、人間のX染色体にはネアンデルタール人由来のものがあるという。
ただし、サハラ以南のアフリカに住んでいた人々以外である。


ネアンデルタール人との異種交配の多くは、現生人類がアフリカを出て各地へ拡散していく過程で、中東で行われたと彼らは考えている。

ネアンデルタール人の祖先は40万年前から80万年前頃にアフリカを出た。
彼らは現在のフランス、スペイン、ドイツ、ロシア付近で、長い年月をかけて進化していった。
ネアンデルタール人は3万年前に絶滅したか、もしくは現生人類の中に吸収されてしまった。

ネアンデルタール人は言語に関連する遺伝子を有しており、洗練された音楽、美術、道具製作のスキルを持っていた。
そのため、現生人類の人々にとっても、近寄りがたい存在ではなかったかもしれない。

この研究は10年前、Labuda氏と彼の共同研究者が、人類のX染色体の中にハプロタイプと呼ばれるDNA配列があり、それが通常とは異なるものを発見したことにさかのぼる。
彼らはその起源に疑問を持った。

2010年に、ネアンデルタール人のゲノムが明らかになった。
そのため、Labuda氏らは発見したハプロタイプとネアンデルタール人のゲノム、現生人類のゲノムとを比較することができるようになった。
分析の結果、該当する配列は、サハラ以南のアフリカを除き、オーストラリアを含む全ての大陸の人間に共通していることが明らかになったのである。

現生人類とネアンデルタール人の交配は我々の祖先にとっていい結果をもたらしたかもしれないとLabuda氏は述べている。
我々の祖先は厳しい、極寒の地域で生き延びなければならず、ネアンデルタール人はずっと前に適応していたのである。

「多様性は種の存続にとって極めて重要だ」とLabuda氏は結論づけている。
「異なる遺伝子の混合は多くの場合実り多いものだ」

ALL NON-AFRICANS PART NEANDERTHAL, GENETICS CONFIRM

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