2011/07/25

メキシコで15世紀の食人の風習が発見される

メキシコで1450年頃に洞窟に家を作り居住していたシシメ(Xixime)と呼ばれるインディアンの人骨を調査した結果、食人の風習を有していた可能性をメキシコの人類学者が発見した。
食人は戦争や穀物豊穣の儀式の最中に行われていたと考えられている。

北部メキシコのドゥランゴ州にあるマゲイ洞窟(Maguey Cave)で発見された40体分の人骨を4年かけて調査したもので、その中の少なくとも80%は切断の跡や煮沸の痕跡があったと国立人類学・歴史研究所(INAH)が報じた。
マゲイ洞窟 Credit: EFE
これらの痕跡は儀式の一部として行われた食人の風習を示すものであり、食人は同じシシメの人間に対してしか行われなかった、と同研究所は伝えている。
シシメによる食人の風習は17世紀の民族誌的記録にも記述されている。
民族誌は主に「崖の家」を訪れたヨーロッパの宣教師が手紙に書いたものである。

最も重要な記録は1604年にHernando de Santarenがメキシコの彼の上司に送った公文書であり、彼が現在のドゥランゴ州にあたる山で発見したインディアンの集団について記述している。

マゲイ洞窟は西シエラマドレ山脈の標高2600m、プエブロ・ヌエボという地域にある松林の森の中に位置している。
遺跡は山中の崖にあり、編み枝と泥しっくいで作られた2階建ての建物の痕跡が5つの洞窟から発見されていた。

調査は2007年5月から開始された。
INAHの考古学者が、プエブロ・ヌエボの山間部の斜面で一般人によって撮影された写真を見せてもらったことがきっかけである。

研究を主導している考古学者Jose Luis Punzo氏は、「1450年頃にメキシコに住んでいた先住民達の、福音伝道によって失われた世界観を示す証拠を発見すること」を研究のゴールとして掲げている。
それによって、シシメの人々が人間を食する理由を、追求できると期待している。

民族史的、考古学的分析から、シシメによって行われた食人の風習はトウモロコシを植え、育てるための儀式と関連しており、シカの狩猟にも重要な役割を持っていたことが分かっている。

トウモロコシを収穫し、タマーリ(トウモロコシを使った料理)を作ってから、シシメは1年の内の半分を占めていた戦争に出向く。
戦争で勝利を収めた時、彼らは通常敵の遺体を持って帰る。

「家に帰りついてから全員が参加する複雑な儀式を行う。その目的は人の体を食べることによって、他人の魂を取り込むこと。最も良い場所は頭と手だった」とPunzo氏は述べている。

だが、シシメの人々は同じ民族の人しか食べなかった。
敵の遺体は、トウモロコシ再生の儀式に使われるものとして、とって置かれたのである。

Mexican Anthropologists Find Evidence of Cannibalistic Tribe

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