2011/09/30

呪われた「クロイソスの財宝」 トルコ

「クロイソスの財宝」はリディア王国をクロイソスが統治していた紀元前560年から前547年の遺物のコレクションである。
この財宝は1960年代の発見以後、壮絶な歴史をたどっており、呪われていると噂されるようになった。
財宝はトルコから密輸され、ニューヨークのメトロポリタン美術館で展示されていたが、法的な闘争の末トルコに返還された。
現在、「呪われた」財宝はまた別の論争の的になっており、現在トルコのウサク考古学博物館に展示されているものの、トルコの文化・観光省と博物館側では将来どこに遺物を展示するかで意見が一致していない。

2011/09/28

釘で顎を打ちつけられた「魔女」の埋葬を発見 イタリア

 イタリアで800年前の「魔女」のものではないかとされている埋葬が出土した。
遺体は女性のもので、頭蓋骨の顎の部分を通して釘が地面に打ち付けられていた。

発見された場所はトスカーナ州のルッカの近くにある、ポンビノで遺体は13本の釘によって囲まれており、埋葬用の布に覆われた様子はなく、棺にも入れられていなかった。

顎に打ち付けられた釘は、死者となった魔女が甦らないようにするためのもののようだ。

2011/09/27

トルコ・イズミルでローマ時代の豪邸跡が見つかる

トルコ・エーゲ海湾岸のイズミルで2000年前のローマ時代の豪華な邸宅が発見された。
邸宅は古代の都市スミュルナに位置しており、広さは400平方メートル、多くの部屋、浴室、キッチンなどがあった。

「多数の部屋、浴室、キッチンの存在は、この家に富裕層の人々が奴隷とともに住んでいたことを示しているようだ。発掘の過程で、彼らのライフスタイルの詳細を数多く見ることができた」と発掘を指揮する考古学者Akın Ersoy氏は語っている。

2011/09/26

グアテマラで古代マヤの女王の墓が発見される

グアテマラにあるマヤ文明のナクム遺跡で2つの王墓が発見された。
ひとつは1300年前のもので、その下の約2000年前の墓から、女性の支配者のものとみられる埋葬が見つかった。

以前は建造物15号と呼ばれたピラミッドで、ナクム遺跡のパティオ(中庭)エリアの東側に位置している。
ナクムはかつてマヤ文明の中心地の1つとして栄えていた都市だった。

2011/09/22

空からでしか認識できない中東の謎の巨大構造物

南米ペルーの乾燥した盆地に広がる巨大な古代の図像「ナスカの地上絵」。
実は、ナスカの地上絵のように空からでしかその全体像を認識できない、巨大な構造物が中東にも存在する。
衛星画像、航空写真によって確認されており、その数は1000以上に及ぶという。

石による構造物で、円形の囲いの中にスポークが放射状に伸びる、「車輪」形が多い。
研究者によると、これらの構造物は古代のものであり、少なくとも2000年前には遡るという。
しばしば溶岩原で発見され、直径は25m〜70mほどある。

2011/09/21

ネアンデルタール人は15万年前にシーフードを食べていた

南スペインのネアンデルタール人は15万年前にすでに海産物を食べていたことが明らかになった。
これまで考えられていた年代よりもはるかに古い年代になるという。

スペインのトレモリノスにあるバホンディージョ洞窟の考古学的調査で、イベリア半島湾岸で集められた貝を割って開けるための道具や、化石化した貝が発見されている。

2011/09/18

ナポレオンの頭髪を発見 スコットランド・旧ウォルター・スコット邸

スコットランドのボーダー地方にある旧ウォルター・スコット(スコットランドの詩人、作家)邸で、ナポレオンの頭髪の一房が発見された。
また、小さな手書きのメモも見つかっている。
ウォルター・スコットの邸宅はアボッツフォード・ハウスと呼ばれ、一般にも公開されている。

ナポレオンの記録簿を研究しているグループが発見した。
アボッツフォード・トラストのJason Dyer氏は、この発見が「アボッツフォード・ハウスとそこに収められているものを保存することの重要性」を示すものだと述べている。

2011/09/15

楽器、サイコロが出土・・・イラン、ゴハル・テペ遺跡の近年の調査成果


2005年にイランのマーザンダーラン州にあるゴハル・テペ(Gohar-Tappeh)遺跡で発見された遺物が、クラリネットのような楽器であることが判明した。
ゴハル・テペ遺跡
さらに、最近では博打のゲームに使われたサイコロが遺跡から発見されている。

マーザンダーランでは一般的な楽器であり、墓の中で女性の人骨のそばから見つかったと発掘チームのリーダーである Ali Mahforuzi氏は述べている。

2011/09/14

ドラキュラのルーツ? 死者復活に対する恐怖が生んだ埋葬習慣 アイルランド

アイルランドで口に石が詰め込まれた1300年前の2体の人骨が発見された。
この風習は、死者がよみがえり、生者をおびやかさないようにするためのものだという。
発見された人骨
ヴァンパイアや亡霊、幽霊は、墓に埋められたときに必要な手続きを行っておかないと、現世に戻ってきてしまうと信じられており、このような特殊な埋葬はこうした伝説と関係しているようだ。

2011/09/13

万里の長城の一部は2重・3重の構造だった

中国の世界遺産、万里の長城は1筋のとてつもなく長い構造物である、とたいていの人は考えているだろう。
しかし、万里の長城はいくつかの部分で、平行する複数の壁があることが分かってきた。
万里の長城の一部を調査した結果、メインの長城と平行する2つから3つの小さな壁があることが判明した。
調査に当たった研究者によると、陝西省に位置している長城の一部は実は2つから3つの壁によって構成されているという。
こうした壁の建て方は、軍隊を駐屯させるのに便利で、防護としての壁の力をより強固にしてくれる。
中国の他の地域であっても、同様の構造があると考えられている。

2011/09/12

イギリス人の祖先は何者か? DNAによる人の移動の分析

 これまでイギリス人は5000~10000年前に移住してきた農耕民の子孫であると考えられてきた。
しかし、新しい遺伝学の研究では、この説とは異なる成果が提出されている。

イギリス・オックスフォード大学とエジンバラ大学の研究者らによると、ヨーロッパの男性の大半はそれよりもずっと前の段階にヨーロッパに定住していた人々(おそらくは狩猟採集民)と遺伝的なつながりがあるという。

2011/09/08

オーストラリアの義賊ネッド・ケリーの首なし遺体を発見

オーストラリアで有名な無法者であり義賊・英雄として名高い、ネッド・ケリーの遺骨が発見された。
ネッド・ケリーはブッシュ・レンジャー(森を棲家とする盗賊)であり、130年前に絞首刑になった人物。
ネッド・ケリーの処刑前日の写真
ネッドの悪行は家畜泥棒、警官攻撃、銀行強盗、大地主への攻撃などがあったが、それらはいずれも経済的な支配者であった資本家たちへの攻撃ともみられ、貧しい人々にとっては義賊としての扱いを受けており、生前から人気が高かった。
彼の生涯は、小説・映画の題材にもしばしば取り上げられている。

2011/09/07

切り裂きジャックの正体とは? 作成された復元写真

今から123年前の8月31日、切り裂きジャックによる1人目の惨殺が実行された。
結局犯人は捕まらなかったが、いったいこの連続殺人犯は何者だったのか?

切り裂きジャックは世界で最も有名な未解決事件で、犯人は1888年の秋、ロンドンのイースト・エンド、ホワイトチャペルで5人の女性を惨殺しているが、その存在はいまだ謎のままである。

200以上の容疑者が挙げられている。
しかし、切り裂きジャックの専門家で以前に殺人犯捜査の掲示だったTrevor Marriott氏は、ドイツ人商人カール・ファイゲンバウム(Carl Feigenbaum)が最も可能性が高いと考えている。

2011/09/06

エジプト考古遺物の密輸が増加 税関や古美術商に注意喚起のための「レッド・リスト」作成へ

先日アメリカで3人が2000年前の古代エジプトの遺物をアラブ首長国連邦からアメリカに密輸したとして逮捕された。
この事件で密輸された遺物は、全部で250万ドルの価値があったという。

専門家らは、今回発見された密輸品は氷山の一角とみている。
カイロ・アメリカン大学のエジプト学教授で、古代エジプトの動物考古学の専門家であるSalima Ikram氏は、エジプトの様々な遺跡で密輸が横行しており、最後にはヨーロッパ、アメリカ、湾岸諸国の一部の考古遺物の密売業者の手に渡っていると述べている。

2011/09/05

中国西周時代の墓から馬と戦車がほぼ完全な状態で出土


中国の河南省、洛陽で周王朝時代の墓から木製の戦車と馬の遺体が発見された。
馬と戦車が埋められた4つの穴が発見されており、紀元前770年に年代づけられるという。

穴からは西周時代初期の青銅器と土器が良好な保存状態で出土した。
1974年に陝西省西安市臨潼区で発見された有名な兵馬俑坑に比べればはるかに小さいものだが、盗掘者に荒らされておらず、まったく手つかずの状態で発見された。

2011/09/04

ストーンヘンジを建立した人の墓? ウェールズで発見

 ウェールズのプレセリ丘陵にあるカーン・メニン遺跡で、ストーンヘンジを最初に建てた人々のものと考えられる墓が発見された。
ストーンヘンジ
この遺跡は、紀元前2300年にストーンヘンジの最初期に使用されたブルーストーンを切り出した場所と考えられる。
今回の発見が、この遺跡とストーンヘンジをつなぐ決定的な証拠になると期待されている。

2011/09/03

176万年前の握斧がケニアで発見される 人類の出アフリカとの関連

 ケニアで旧石器時代の握斧などが発見された。
この形態のものでは最古と考えられ、176万年前のものと推定されている。
CREDIT:Pierre-Jean Texier/CNRS
ケニア北西部にあるトゥルカナ湖岸で出土したもの。
一番大きなものでは長さが20cmほどあり、両側面の剥離によって形作られている。
これは当時としては高度な石器製作技術を有していた証拠であり、おそらくはホモ・エレクトゥスがこの技術を有していたと考えられる。

2011/09/02

沈没船の積み荷がほぼ完全な状態で出土 トルコ・イェニカプ

 トルコ・イスタンブールにあるイェニカプで発掘が遺跡では、世界でも最も保存状態が良いと言われている沈没船が発見されており、発掘が進められている。
イェニカプでの発見ニュースでは、アルケオニュースでも取り上げたことがある。
過去の記事:保存状態最高の古代ビザンツの船を積み荷とともに発見 トルコ・イェニカプ
発掘の様子
調査を行っている考古学者らによれば、船は4世紀から5世紀のもので、嵐で沈んだと考えられている。
驚くべきことに、積み荷のアンフォラ(液体物の運搬に使用した大型で細身の土器)のほとんどは完全な状態だった。

2011/09/01

ウィーン近郊でグラディエーター養成学校の遺跡が発見される

オーストリアの首都ウィーンの近くにあるローマ時代の遺跡カルヌントゥムで、剣闘士(グラディエーター)を養成する学校が発見された。

カルヌントゥム考古学公園によれば、建築物の構造はローマのコロッセオにあったものや、ルドゥス・マグヌス剣闘士養成学校と同じであるという。
しかし、遺跡の大きさや良好な残存状態は世界でも珍しいもののようだ。