2011/09/08

オーストラリアの義賊ネッド・ケリーの首なし遺体を発見

オーストラリアで有名な無法者であり義賊・英雄として名高い、ネッド・ケリーの遺骨が発見された。
ネッド・ケリーはブッシュ・レンジャー(森を棲家とする盗賊)であり、130年前に絞首刑になった人物。
ネッド・ケリーの処刑前日の写真
ネッドの悪行は家畜泥棒、警官攻撃、銀行強盗、大地主への攻撃などがあったが、それらはいずれも経済的な支配者であった資本家たちへの攻撃ともみられ、貧しい人々にとっては義賊としての扱いを受けており、生前から人気が高かった。
彼の生涯は、小説・映画の題材にもしばしば取り上げられている。

20か月に及ぶ史料、DNA分析による調査で、発見に至った。
ネッド・ケリーの妹のひ孫、Leigh Oliver氏のDNAサンプルから、発見された遺体がネッドのものであることが確認された。

ネッドの遺体はビクトリア州のペントリッジにあると長い間うわさされてきた。

「ネッド・ケリーは130年以上も前に処刑され、33人の囚人とともに無計画に運ばれ、埋められた。33人の内大半は人物の特定さえできていない。このような状況で発見できたのは、凄いことだ」とRobert Clark司法長官は述べている

ネッド・ケリーのものとされる頭蓋骨はメルボルン監獄でネッドのデスマスクとともに展示されており、2009年にビクトリア州法医学研究所にもたらされた。
ビクトリア州政府はStephen Cordner教授に頭蓋骨の調査と同定を依頼した。

 Cordner教授の法医学チームは、2009年にペントリッジで掘り出されたネッドのものとされる首なしの遺体まで調査を行った。
調査にはCTスキャン、X線分析が用いられ、病理学、歯科学、人類学的調査が行われた。

その結果、頭蓋骨はネッドのものではないことが分かった。
一方で、ペントリッジで発見された遺体の方はネッドのものであることが判明したが、頭蓋骨はほとんど失われていた。
また、ケリーは死刑になる5か月前に肘、腿、足を銃で撃たれていたことが調査で初めて明らかになった。
ネッド一味の写真
ネッドの遺体を最終的にどこに埋葬するかは、ネッドの親族に話を聞く予定だという。

Ned Kelly's remains identified 130 years after the bushranger's death



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