2013/01/23

イスラム史最初期の城跡発見 サウジアラビア

サウジアラビア観光・文化遺産委員会(The Saudi Commission for Tourism and Antiquities, SCTA)がマディーナ州で7~8世紀の古代の城址を発見した。発見された場所はワディ・アル=アキーク(Wadi Al-Aqiq)と呼ばれる。
ワディ・アル=アキークで発掘にあたる作業員 Credit: SPA

州都であるマディーナは聖地マッカ(メッカ)の北500kmにあり、7世紀に預言者ムハンマドが亡くなった場所であり、イスラム教の第2の聖地と言われている。

2013/01/18

4000年前にインドからオーストラリアに渡った人々

現生人類の祖先がアフリカ大陸を出た後、様々な地域へ拡散していき、一部の集団は4万年以上前にオーストラリア大陸にたどり着いた。
その後、18世紀にヨーロッパ人が訪れるまで、オーストラリアは外部の人類から隔絶されていたと考えられていた。
アボリジニ

しかし、最近のDNA分析の結果から、4000年前にインドからオーストラリアに渡ってきた人々がいて、アボリジニと混ざり合っていたことがわかってきた。

2013/01/16

ローマ時代のポンペイには2階にトイレがあった!

イタリア・ナポリの近郊にあった古代都市ポンペイは、紀元後79年のヴェスビオ火山の噴火による火砕流で、一瞬にして地中深くに埋まってしまった。その後町18世紀に至るまで地中に没したままであったことが原因で、古代ローマの都市の様子がそのままの状態で残されていた。
テーブルには食器がそのまま置かれていたり、壁のフレスコ画が良好な状態で残されているなど、当時の町や生活の様子を知るための稀有な遺跡であり、世界遺産にも登録されている。
ポンペイの遺跡。背後にはヴェスビオ火山が見える。
このポンペイ遺跡には、どうやら2階にもトイレが備えられていたらしい。
2階建ての住居があったことは知られているが、2階まで残っている例は多くはない。
しかし、2階に続いていた垂直方向のパイプが残っており、トイレが上の階に存在していたらしいことがわかってきた。

2013/01/10

ボランティア奴隷?紀元前2世紀エジプトの不思議な契約

自ら望んで奴隷になるという人は、普通いない。
しかし、紀元前2世紀のエジプトでは、人々が自ら奴隷として神殿で働く契約を結んでいた証拠が残っている。
しかも、彼らは望んで奴隷になっただけでなく、奴隷になるために神殿に費用を支払うことまでしているのだ。
テブトゥニスにあるセベク神殿
コペンハーゲン大学のエジプト学者Kim Ryholt氏の研究によるもので、ファイユーム地方の神殿都市テブトゥニスの古代のゴミの堆積から発見されたパピルスを解読した結果、奴隷の契約に関する文書であることがわかった。

2013/01/09

スペインの骨董屋で盗掘品発見 店主は逮捕

スペイン東部の町エル・カンペロにある骨董品店で、紀元前2世紀の希少な壺が発見された。

盗掘によって取得された、極めて歴史的価値の高い遺物を受け取り、商品として扱ったということで、店主は逮捕された。

2012/12/28

マヤ暦「世界の終末の日」の騒ぎで遺跡に被害

「世界の終末の日」としてグアテマラの遺跡に集まった観光客によって、マヤ文明の大都市ティカルの石造神殿が被害にあった模様だ。
ティカルの神殿Ⅱ

遺跡のテクニカル・アドバイザーであるOsvaldo Gomez氏は「悲しいことに、多くの観光客が神殿Ⅱに昇ってダメージを与えてしまったようだ」と述べている。
「お祭りをするのはいいのだが、これが世界遺産であることを(観光客は)もっと自覚してほしい」とGomez氏。

2012/12/19

ミイラの分析からラメセス3世暗殺事件の真相に迫る

ラメセス3世は古代エジプト新王国時代第20王朝のファラオで、治世は紀元前1186年から前1155年頃と言われている。
新王国時代は古代エジプトの最盛期と言われているが、その末期は労働者の給与が問題となってストライキが起きるなど、経済的にも疲弊し、ファラオの権力も弱体化していたと言われている。
ラメセス3世のミイラ

その事実を示すのが、ラメセス3世の暗殺事件の存在である。
王妃の1人ティイが、息子のペンタウェレトを王位につけたいと願うあまり、後宮や王宮の関係者と共謀して、王の暗殺を計画した。
この暗殺計画に関する裁判の記録が残っており、32人が取り調べられ、全員有罪で22人が死刑、王子を含めた残り10人が自害を強いられた。

しかし、この暗殺計画が成功したのか、それとも未遂に終わったのかは明らかになっておらず、エジプト学者の間でも議論の対象になっていた。

イタリア・ボルツァーノのミイラ・アイスマン研究所のAlbert Zink博士は、ラメセス3世のミイラに対して人類学的・法医学的調査を実施した。

2012/04/20

マルコ・ポーロはウソツキではなかった? 新たな見解

「東方見聞録」を書いたヴェネツィアの商人マルコ・ポーロは、実は中国まで来ていなかったという説があり、アルケオニュースでも以前に取り上げたことがある。
「マルコ・ポーロは東方に来ていなかった」説
マルコ・ポーロの肖像
しかし、ドイツ・テュービンゲン大学のHans Ulrich Vogel教授が中国側にある資料を精査した結果、マルコ・ポーロは実際に中国を訪れていたことを改めて唱えた。

2012/04/18

タイタニック号の残骸に残る遺体

1912年にイギリス・サウスサンプトンからニューヨークへ向けて出発したタイタニック号が沈没して、100年になる。
100年を経た今、タイタニック号はユネスコによる水中文化遺産として認められるようになった。
3600mの海底にある遺品の靴 Credit: AP Photo/Institute for Exploration, Center for Archaeological Oceanography/University of Rhode Island/NOAA Office of Ocean Exploration
タイタニック号の残骸がある場所には、まだ海底の泥の中に遺体が残っている可能性が指摘されている。

2012/04/06

人間に解体された?1万年以上前のマンモス発見

シベリアの北極海沿岸で発見された子どものマンモスに、人間によって解体された痕跡があることが分かった。
発見されたマンモス「ユカ」 Credit: F Latreille/Mammuthus/MCE
良好な保存状態で発見されたこのマンモスは、「ユカ(Yuka)」と名付けられた。
少なくとも1万年前のもので、この地域の人間活動との関わりを示す遺体は初の事例だという。