2013/01/23

イスラム史最初期の城跡発見 サウジアラビア

サウジアラビア観光・文化遺産委員会(The Saudi Commission for Tourism and Antiquities, SCTA)がマディーナ州で7~8世紀の古代の城址を発見した。発見された場所はワディ・アル=アキーク(Wadi Al-Aqiq)と呼ばれる。
ワディ・アル=アキークで発掘にあたる作業員 Credit: SPA

州都であるマディーナは聖地マッカ(メッカ)の北500kmにあり、7世紀に預言者ムハンマドが亡くなった場所であり、イスラム教の第2の聖地と言われている。
建築の様式や発見された遺物から、この城がイスラム史上最初の世襲王朝であるウマイヤ朝時代(661~750年)のものであると推測されている。

ワディ・アル=アキークは80kmに及ぶ細長い谷状の地形であり、古代の人々はここに密集して居住していた。
古代の記録によれば、この地にあった城は最初期のイスラム史の中でも傑出した人物が有していたものであるという。
またこの谷は土地は肥沃で、農耕に適しており、庭園も数多くあった。

発掘調査を指揮しているKhaled Eskoubi氏によれば、谷の南東部にある丘陵で2度に渡る調査が実施しており、現在はウラワ(Urawa)城と呼んでいるそうだ。
城の残存部分は約40mx30mの範囲に及んでおり、基礎部から8つの部屋があったことが判明している。
壁は火山の石によって築かれ、粘土や石膏が塗られていた。床は粘土によって平坦面が作り出されている。

この谷にはオスマン帝国時代に作られた、マディーナからシリアのダマスカスを結ぶ「ヒジャーズ鉄道」の橋が架かっている。

Remains of ancient castle found


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