2011/05/20

チリで12000年前の酸化鉄の採掘遺跡が発見される

(Photo Courtesy Diego Salazar; University of Chile
チリで12000年前の酸化鉄の採掘遺跡が発見された。
アメリカ大陸では最も古い採掘活動の痕跡になるという。

調査はチリ大学Diego Salazar氏に率いられており、北部チリの海岸の町タルタルの近くで、40mに及ぶ溝が発見されたという。
この溝はフエンテラウケン(Huentelauquen people)という人々によって掘られた。フエンテラウケンはこの地域の最初の居住者だといわれている。
フエンテラウケンは石器や骨角器の顔料として酸化鉄を用いており、おそらくは衣服やボディー・ペイントにも用いられていたと考えられている。


長期間に渡る、幅広い採掘活動は、古代のフエンテラウケンがかなり複雑化した文化を有していたことを示している。
採掘は労働集約的な活動であり、専門的な技術と、何世代にもわたって受け継がれる一定のレベルの組織的な活動があった、とSalazar氏によって推測されている(Current Anthropology誌)。

推定で700立法メートル、2000トンの岩が採掘されている。遺跡で発見された炭化物と貝による放射性炭素年代測定では、約12000年前から10500年前に継続的に利用されたことがわかっており、4300年前にも再び利用されたことが判明した。また、初期の採掘に利用した500以上のハンマーストーンも発見された。

「千年以上も続いた採掘活動は、鉱物資源の位置に関する知識、酸化鉄の性質、鉱物の採掘と加工に必要な技術が、フエンテラウケンの人々の間で何世代にもわたって継承されていたことを示している。アメリカ大陸初の採掘活動になることが確かめられた」とSalazar氏らは述べている。

この発見の前は、北アメリカの4500年から2600年前の銅の採掘活動が、アメリカ大陸最古のものとされていた。

Archaeologists uncover oldest mine in the Americas
写真引用元:Archaeology Magazine

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