2011/04/25

チベットの古代文書で脳外科手術の記述発見

脳の外科手術が2900年前の医師に行われていたことが、チベット文化と文学の専門家による40年に及ぶチベットの古代の百科事典「大蔵経」の調査によって明らかになった。

ラサのチベット大学・チベット言語・文学科准教授Karma Trinleyによれば、2900年前のチベットの大蔵経が何故、またどのようにして脳の外科手術を行うのかについて、明瞭に述べているという。

大蔵経はある若いインドの医師が熟練した医者によって行われる手術で見た内容を克明に記している。

それによると、患者はひどい頭痛に苦しんでおり、痛みを和らげるために繰り返し自分の頭を固いものでたたいていたという。

若い医師はTsogyelという名であり、ベテランの医者が患者の脳が2つのピンセット状のもので手術しようとしているのを見た。
ピンセットは、まず熱っされなければいけない、と医者は言ったそうだ。
Trinley氏はTsogyelによって伝えられた殺菌のアドバイスは当時の外科手術の成功確率を上げただろうと述べている。
Tsogyel自信も後に腕のいい医者となった。

大蔵経は仏教に関する書物を編纂した最も初期の文書である。
そこに書かれている内容は元々口頭で伝えられ、そして紀元前3世紀に記述されるに至った。
Trinley氏によると、この書物に書かれている医術の理論は、現代のチベットの医者の間でも用いられているという。

古代の脳の外科手術の考古学的証拠は1998年に発見されている。青海チベット高原で治癒した痕があるひびが入った頭骨を考古学者が発見したのだ。
これらのひびの存在は5000年も前から開頭術が実際に行われていたことを示している。

大蔵経の脳外科手術に関する記述が発見される前は、研究者の間で開頭術の目的について意見がわかれていた。
ある者は邪悪な存在を除く、または幸福をもたらすための宗教的儀式と信じており、ある者は呪術師によって行われた治療と考えていたのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿