2011/04/12

ネアンデルタール人はなぜ滅んだのか? 最新の研究成果

我々人類の直接の祖先は、アフリカ大陸を出て世界各地に拡がっていったが、その過程ではるか昔に分化した親戚「ネアンデルタール人」にであったはずだ。
一般的には、ネアンデルタール人は野蛮で、文化的で知的なホモ・サピエンスとは比ぶべくもなく、すぐに絶滅してしまったと言われている。

しなしながら、ネアンデルタール人は偶然不幸な目にあって絶滅してしまったと主張する数学者達もいる。



現生人類とネアンデルタール人は45000年前、中東で親しい関係であったと言われている。
近年の研究では、現代のアフリカ以外の人の1~4%のDNAの起源はネアンデルタール人由来のものであり、ことのことは、人類がヨーロッパに拡がっていく前に異種交配があったことを示している。

現生人類はより優れた技能、適応能力があったために、生き残ったとされている。しかし、数学者でブラジル、ミナス・ジェイラス連邦大学のArmando Neves氏、イタリア、アキラ大学のMaurizio Serva氏は、ネアンデルタール人の絶滅は「遺伝による抽選(genetic lottery)」によるものと述べている。

2つの集団で異種交配が行われた時、そのうちの一方は有性生殖における遺伝子のランダムな混合が原因で絶滅に至るというのである。

これが原因でネアンデルタール人が絶滅したことを明らかにするために、Neves氏とServa氏は中東で2つの集団が出会った仮定モデルを作成した。
きわめて少ない前提条件のもとに、現在あるネアンデルタール人のDNAの比率を生み出すことになった、異種交配の頻度を推定している。

その結果、1~4%のDNAの混合が起こるには、10~80世代中1回の異種交配が必要ということが分かっている。この割合の混合に到達するまでにかかる時間は、集団の規模に依存する。
しかし、集団の人口にかかわらず、Neves氏とServa氏によるモデルは、「遺伝による抽選」を通して低い頻度の異種交配がネアンデルタール人を絶滅に導いたことを理論的に説明している。

「観察されたネアンデルタール人のDNAの低い割合は、たとえネアンデルタール人が劣っていなかったとして自然に発生するもの」とNeves氏は述べている。ワシントン大学の人類学者Luke Premo氏は、この分析の強みは、当時のネアンデルタール人とアフリカ人(現生人類の祖先)の集団の相対的な差も含めて、不確定な要素に対する前提をきわめて少なくしていることだ、と述べている。

しかしながらPremo氏は、アフリカ人(現生人類の祖先)がより優れた能力を有していたこと示すことは、強い根拠があることも述べている。「ネアンデルタール人の拡散はユーラシア大陸の一部に限られていたが、現生人類は世界中に拡がっている」、「現生人類の祖先がより多くの人口とより広い拡散をしていることを考えても、現生人類の方が優れていたことは確かだろう」

元の記事
Neanderthals: Bad luck and its part in their downfall

0 件のコメント:

コメントを投稿