2011/04/21

資源採掘会社とアボリジニの対立 オーストラリア

採掘会社がオーストラリア・クイーンズランドのアボリジニ文化遺産法をかいくぐって聖域を破壊している、と地元の研究者が語った。

申し立てによると、クイーンズランドの炭層ガス会社が、ダルビーの近くにあるコガン(Kogan)の古代アボリジニの石の遺跡を破壊しているとのこと。

地元の研究者Jillian Marsh博士は原住民の聖域を守る法律は、ほとんどの場合形だけの平等主義で、無力なものだと述べた。

彼女によると、採掘会社が原住民と交渉する際、会社の方針に対して賛同する人間としか話をしない、分断的な方法をとることが一般的という。

「このような採掘産業のふるまいはまさに略奪だ」とMarsh博士は述べている。
「採掘会社の活動で利益を得る人々は知識と情報のある人で、残りはかやの外で無力だ。冷遇されていると感じている者はたいていその土地に一番近く、何年もの間、精神的なつながりを最も強く感じていた人々だ」

アボリジニのNeil Stanley氏と畜産農家の Rob Lohse・Sharon Lohse夫妻はクイーンズランド・ガス会社(QGC)に対して、コガンのアボリジニの聖域に損害を与えたとして非難した。

Stanley氏は、ある調印者の女性と調印の代理人となったある女性は、QGCとアボリジニとの連絡係として雇われており、採掘企業の対応を行っている原住民の代表者たちに利害の衝突があることを懸念している。

しかしながら、QGC側は、問題になっている遺跡では炭層ガスの開発を行っていないと言っている。

QGCのガス田はLohse氏らの土地の近くにあるケルスダールと呼ばれる土地に位置している。

Lohse氏らは聖域の75%が彼らの農場にあり、残りが会社の資産になっているという。

しかし、クイーンズランドの環境課はQGCがアボリジニ文化遺産法に適合する形で、義務を果たしていると述べている。

QGCのスポークスマンPaul Larter氏は、鉱山資源を採掘する企業が原住民に同意を得るための仕事に人を雇うことは一般的であり、合法であると述べた。
2人の女性は文化遺産関連の仕事を請け負う臨時の職員として雇われていることを明言している。

スポークスマンは声明の中でこう述べている「われわれはアボリジニ文化遺産法のもと、作業において文化遺産を保護することを求められている。文化遺産の問題に対応するために、関係のあるアボリジニの団体の代表を雇うことでしか、これを実現する方法はない。したがって、クイーンズランドでは、資源採掘企業がアボリジニ団体の代表を雇うことはよくあることだ」

企業側が一部のアボリジニ達を取り込んで、アボリジニ内での問題に仕向けているようにも見える。利害関係の不一致は、複雑な様相を呈しているようだ。


Miners 'predatory' to Aborigines

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