2011/08/27

グラウンド・ゼロで発見された遺物の展示を開催 アメリカ・ペンシルヴァニア大学


アメリカ・ペンシルヴァニア大学では、9.11の10周年を記念して、グラウンド・ゼロで発見された遺物の展示を行っている。
単なる日用品が、事件の記憶を湧き起こすシンボルとなっている。

展示のタイトルは「Excavating Ground Zero(グラウンド・ゼロを発掘する)」で、ペンシルヴァニア考古学・人類学博物館で開催されている。
15の展示物があり、壊れたメガネ、来訪者のバッジ、ほとんど原型の無いコンピュータのキーボード、辞書のページ、完全な状態のクリスマスの飾り、よじれた布切れのようにねじまがった拡声器などが含まれている。
これらの遺物が公の場に展示されるのは初めてであり、2012年の9月11日にワールドトレードセンタービルがかつてあった場所にオープンする予定の博物館で展示されるために選別されたもの。

考古学の目的は失われた時間を遺物を通して復元するものであるから、新しくオープンする博物館はふさわしい場所にある、と展示をデザインしたKate Quinn氏は述べている。

壁には来館者のメッセージを貼ることができる。
ある人はこう書いている。
「私の父親が泣いたのを見たのは2回しかないが、9/11がその内の1回だ」
またある人は、「その時私は15だった。今は25歳。9.11より前の人生を思い出だすことができない」

9.11博物館は無数の遺物が収蔵されており、それが誰の持ち物だったかを調べる試みが行われている。
ペンシルヴァニア博物館で展示されている物は持ち主がわからず、今後もわからないままだろう、とQuinn氏は述べている。
「これらの展示物を持っていた人は、私たちと全く変わらない。その日、いつものように仕事に行って、あの恐ろしい事件に遭遇してしまったのだ」

展示ではメディアによる9.11の報道や、事件に遭遇したペンシルヴァニア大学卒業生の死亡記事のスライドショーも表示されている。

展示は無料で公開されており、ワールドトレードセンタービルが事件を経てどうかわかっていたのかについてのレクチャーも実施される。
また、退役軍人、退役軍人とともに働いたメンタル・ヘルスの専門家、グラウンド・ゼロで働いた赤十字のボランティアによるパネルディスカッションも行われる。ディスカッションも、一般に公開される。

9/11 exhibit in Philly shows recovered WTC objects


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