2011/08/09

イングランド全土の考古学マップ作製に着手 オックスフォード大学

オックスフォード大学考古学部はイングランド全土に及ぶ先史時代の考古学マップ作製に着手した。

「Portal to the Past」プロジェクトと呼ばれるもので、各地域の紀元前1500年前の青銅器時代から1086年のドゥームズデイ・ブックの時代まで1500年間にわたる情報をインターネットで閲覧することができる。
(ドゥームズデイ・ブックはイングランドを征服したウィリアム1世による検地の結果を記録した世界初の土地台帳)

プロジェクトを率いているChris Gosden教授は、歴史に関する検索内容で、地元の情報が祖先の情報に次いで人気があるという。
しかしながら、今のところキリスト教の教区で管理されている記録は1000年程前までしかわからない。

5年間のプロジェクトで、180万ポンドの費用が投じられる。
マップ作製のために全ての利用可能なデータをデジタル・アーカイブ化し、先史時代のイングランドに関する情報を可能な限り多く収集する予定。
Gosden教授によると、教区による記録はローマ時代の土地所有もしくはそれ以前の農民の共同体による土地利用に基づいているという。
金属の工房や古代の土地利用システム、農民の小屋、ローマ時代の村などがあったはずであり、現代の家屋の下にも遺体が眠っているかもしれない。
「私達は現在生きている世界の地上を見がちだが、地下には古代の情報が溢れている」とGosden教授は語っている。

ストーンヘンジ
大半のデータは古代の遺跡を撮影した航空写真が用いられる。
各州のアーカイブ、古代のコインのデータベース、金属探知家によって発見された考古遺物の情報もデータベースの材料となる。
オックスフォード大学の研究者は大英博物館や考古学データサービス(Archaeology Data Service)、調査対象の時期に詳しい郷土史家とも協力して作業する予定だ。

全ての古代イングランドに関する情報を1つのWEBサイトに入れ込むことで、どの場所の景観が変化していったのか、または変わっていないのかが明らかになるとGosden教授は述べている。

地図や遺物データベースへの自由なアクセスは、考古学者やトレジャー・ハンターにとって、さらなる発見につながることになるだろう。

「イングランドには古代の景観に関する比類ない情報を秘められている」と彼は語っている。
「このプロジェクトによってイングランド全体の詳細な分析が可能になり、景観がどう変化し、発展していったのかについて新たな知見を収集することができると我々は期待している。この古代の遺跡に関する膨大なデータベースによって、国家的なレベルでイングランドにとって何を明らかにすることができるのか、我々は見つけていきたい。今まで、当該時期の景観に関する情報について、断片的にしか把握できていなかったが、このプロジェクトによってより広い視点で全体のパターンや地域差を知ることができるようになる」

このプロジェクトのWEBサイトは2014年に公開される。

Project to map ancient landscape of England may reveal burial grounds under your house

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