2011/08/31

9000年前にはすでに馬が家畜化されていた? アラビア半島の遺跡で発見

アラビア半島で9000年前の馬の家畜化の痕跡を示す遺跡が発掘された。
アル・マカルという遺跡から発見されたもので、馬の家畜化が初めて行われたのは5500年前の中央アジアだと言われていたため、それよりも3500年も古いことになる
Ali al-Ghabban氏は、この発見によって後期新石器時代における文化の発展に関するこれまでの説が変わってくる、と述べている。

遺跡からは石鏃、スクレイパー、製粉具、紡織具やその他の道具が発見されており、居住者が工芸の技術を有していたことがわかる。

Ghabban氏によると、遺物に対する放射性炭素年代測定法、人骨に対するDNA分析が行われているという。
年代測定では、紀元前7000年という値が出ている。

「アル・マカルの文化は新石器時代における非常に進んだ文明だった。この遺跡は、9000年前における馬の家畜化のルーツがここにあったことを明確に示している」とGhabban氏は述べている。

人類は5万年前から馬との接触はあったようだが、最初は肉や皮を利用するために狩猟されていた。
馬乳を利用していた可能性も考えられる。

これまで知られていた馬の家畜化に関する考古学的証拠では、北部カザフスタンのボタイ文化のものが最古と言われていた。
5500年前に年代づけられており、発見された馬の骨が旧石器時代の野生馬よりも青銅器時代の家畜化された馬と類似していることや、複数の馬の歯に轡がつけられていたこと示す痕跡が認められている。

紀元前2000年には馬の埋葬が見られ、チャリオット(馬に引かせる戦車)とともに埋められていた。
紀元前1000年頃には、家畜としての馬はヨーロッパ、アジア、北部アフリカに拡がっていたと言われている。

Saudis 'find evidence of early horse domestication'

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