スウェーデンの東にあるゴットランド島とエーランド島の間の海底で、12世紀から14世紀にかけてバルト海で使用された船らしきものが発見された。
ソナーによる船影 |
沈没船調査の専門家Erik Bjurström氏は「初めて画像を見たとき、首の後ろの毛が逆立った」と語っている。
船の時期と発見された場所から、歴史家達はデンマーク王ヴァルデマー4世の伝説の船なのではないかと期待を寄せている。
船は1361年にゴットランド島のヴィスビューで大量の財宝を積みこんで、帰国する途中に沈んだという。
ヴァルデマー4世はアッテルダーク(再興王)とも呼ばれ、財政再建や軍の強化を成し遂げ、巧みな外交戦略なども通じて国力を回復させたことで知られている。
ヴァルデマー4世のフレスコ画 |
伝説によるとヴァルデマー4世はゴットランド人、特に都市ヴィスビューを嫌っていた。
この地に住む人々が王をあざける歌をつくったと聞いていたからである。
現在も残るヴィスビューの城壁(世界遺産) |
樽は1日目の夜にいっぱいになり、教会の宝物を取り上げたのち、奪った品を船に積み、自分の国へ運んだ。
しかし、船の内の1隻が遭難したと言われている。
多くの沈没船の専門家が伝説の船を探し求めていたが、これまで見つかっていなかった。
Bjurström氏はソナーによる分析から、発見されたのは中世の船であることをほぼ確信しているという。
船は水深100mのところにあり、ソナーの映像では長さ28m、幅7mの小さな船だということがわかっている。
バルト海の海底は平坦であり、フナクイムシも生息しておらず、水に含まれる酸素の量も少ないことから、沈没船の保存状態を良好に保つには最適の環境と言われている。
近日中に、カメラを積んだ無人機が送られる予定だという。
より詳細な画像によって、この船がヴァルデマー4世のものかどうか、ヴィスビューの財宝が積まれているかどうかについて、明らかにできるかもしれない。
'World's oldest' wreck found in Swedish Baltic
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