今から123年前の8月31日、切り裂きジャックによる1人目の惨殺が実行された。
結局犯人は捕まらなかったが、いったいこの連続殺人犯は何者だったのか?
切り裂きジャックは世界で最も有名な未解決事件で、犯人は1888年の秋、ロンドンのイースト・エンド、ホワイトチャペルで5人の女性を惨殺しているが、その存在はいまだ謎のままである。
200以上の容疑者が挙げられている。
しかし、切り裂きジャックの専門家で以前に殺人犯捜査の掲示だったTrevor Marriott氏は、ドイツ人商人カール・ファイゲンバウム(Carl Feigenbaum)が最も可能性が高いと考えている。
マンハッタンの下宿の大屋だった女性殺害の容疑で、ファイゲンバウムは1894年、ニューヨークの刑務所で電気椅子によって死刑となっていた。
弁護士も、彼が切り裂きジャックその人ではなかったかと疑っている。
ファイゲンバウムの写真は残っていない。
そこでMarriott氏は新しい電子顔識別技術を用いて、ファイゲンバウムがニューヨークの刑務所で再拘留中だった時の記録から顔を再現した。
なぜMarriott氏はファイゲンバウムが切り裂きジャックだと考えたのか。
ジャックは解剖学の知識を持っているという仮説が長らくたてられていた。
なぜなら、彼が被害者の臓器を切除する技術を有していたからだ。
しかし、解体がジャックによって殺害の現場で行われたものではなく、別の場所で行われた可能性もある。
1832年には解剖法が施行され、医療関係者ならば、練習を目的として内臓を切除することは合法とされていた。
この説は、4人目の被害者キャサリン・エドウッズに関する記録でも裏付けられる。
キャサリン・エドウッズは左の腎臓と子宮が持ち去られていた。
検視結果の死亡推定時刻は、遺体が発見された広場で警官が最後に見回りを行った14分後ということになってしまう。
この短時間で、しかもほとんど真っ暗闇の中で、エドウッズを殺害し、子宮を正確に切除することができただろうか?
医学的な知識の有無に関係なく、どうみても無理だろう。
Marriott氏は他のグループがこの一帯にいなかったかどうかを調べた。
セント・キャサリンやロンドン埠頭は、商船の船乗りが集まる売春宿があったホワイトチャペルからは目と鼻の先であった。
犯人は、殺害後誰にも気づかれずに船に戻ってくることは容易だっただろう。
殺害の間隔も、犯人が普段遠くへ出かけている者だった可能性を示している。
またこの説は他の事実にも適合する。
犯人はホワイトチャペルの住人だったと主張する者もいるが、地元の人々は、彼を警察に引き渡さなかったのだろうか。
報酬が告知された後はなおさらである。
Marriott氏はドイツの商船グループに関する記録を偶然発見した。
それによると、ライアという船が殺害の時に停泊していたことがわかっている。
Marriott氏はこの船に乗船していた船乗りを精査したところ、ファイゲンバウムに出くわしたのである。
ファイゲンバウムが電気椅子送りになる判決を受けた裁判で、弁護人をつとめたウィリアム・ロートンは、ファイゲンバウムがロンドンの殺人事件に関与していたと考えていることを記者に語った。
ウィリアム・ロートンによると、ファイゲンバウムは時々女性を殺害し、ばらばらにしたくなる病気に悩まされていたことを彼に告白したのだという。
殺人の一貫性についても疑問が残る。
当時は、5人の女性が同じ男によって殺害されたと誰も疑わなかった。
しかし証拠を見直してみると、3人目の被害者とされるエリザベス・ストライドは別の人物の手によって殺されたかもしれない。
彼女の殺害に関しては、全てにおいて他の被害者と異なっている。
「まず、殺人が行われた時間が違うのと、それから彼女の喉を切るのに使われたナイフは他の被害者に使用されたものよりずっと小さく、その他の部分も切断されなかったことだ」とMarriott氏は述べている。
「場所も他の殺人と違っていた。殺人は労働者のクラブの真横で行われ、その時クラブには男達が大勢集まっていた」
また、5人目の被害者とされるメアリー・ケリーの死にも重大な疑問が残っている。
「新たな資料から、被害者はメアリー・ケリーではなく、別の人物だった可能性がある」とMarriott氏は述べている。
切り裂きジャックに関する調査は今もなお研究者によって進められているが、未だ謎の多い事件と言えるだろう。
Is this the face of Jack the Ripper?
ラベル「歴史上の人物」、「近現代」を含む記事
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切り裂きジャックは世界で最も有名な未解決事件で、犯人は1888年の秋、ロンドンのイースト・エンド、ホワイトチャペルで5人の女性を惨殺しているが、その存在はいまだ謎のままである。
200以上の容疑者が挙げられている。
しかし、切り裂きジャックの専門家で以前に殺人犯捜査の掲示だったTrevor Marriott氏は、ドイツ人商人カール・ファイゲンバウム(Carl Feigenbaum)が最も可能性が高いと考えている。
マンハッタンの下宿の大屋だった女性殺害の容疑で、ファイゲンバウムは1894年、ニューヨークの刑務所で電気椅子によって死刑となっていた。
弁護士も、彼が切り裂きジャックその人ではなかったかと疑っている。
ファイゲンバウムの写真は残っていない。
そこでMarriott氏は新しい電子顔識別技術を用いて、ファイゲンバウムがニューヨークの刑務所で再拘留中だった時の記録から顔を再現した。
なぜMarriott氏はファイゲンバウムが切り裂きジャックだと考えたのか。
ジャックは解剖学の知識を持っているという仮説が長らくたてられていた。
なぜなら、彼が被害者の臓器を切除する技術を有していたからだ。
しかし、解体がジャックによって殺害の現場で行われたものではなく、別の場所で行われた可能性もある。
1832年には解剖法が施行され、医療関係者ならば、練習を目的として内臓を切除することは合法とされていた。
この説は、4人目の被害者キャサリン・エドウッズに関する記録でも裏付けられる。
キャサリン・エドウッズは左の腎臓と子宮が持ち去られていた。
検視結果の死亡推定時刻は、遺体が発見された広場で警官が最後に見回りを行った14分後ということになってしまう。
この短時間で、しかもほとんど真っ暗闇の中で、エドウッズを殺害し、子宮を正確に切除することができただろうか?
医学的な知識の有無に関係なく、どうみても無理だろう。
Marriott氏は他のグループがこの一帯にいなかったかどうかを調べた。
セント・キャサリンやロンドン埠頭は、商船の船乗りが集まる売春宿があったホワイトチャペルからは目と鼻の先であった。
犯人は、殺害後誰にも気づかれずに船に戻ってくることは容易だっただろう。
殺害の間隔も、犯人が普段遠くへ出かけている者だった可能性を示している。
またこの説は他の事実にも適合する。
犯人はホワイトチャペルの住人だったと主張する者もいるが、地元の人々は、彼を警察に引き渡さなかったのだろうか。
報酬が告知された後はなおさらである。
Marriott氏はドイツの商船グループに関する記録を偶然発見した。
それによると、ライアという船が殺害の時に停泊していたことがわかっている。
Marriott氏はこの船に乗船していた船乗りを精査したところ、ファイゲンバウムに出くわしたのである。
ファイゲンバウムが電気椅子送りになる判決を受けた裁判で、弁護人をつとめたウィリアム・ロートンは、ファイゲンバウムがロンドンの殺人事件に関与していたと考えていることを記者に語った。
ウィリアム・ロートンによると、ファイゲンバウムは時々女性を殺害し、ばらばらにしたくなる病気に悩まされていたことを彼に告白したのだという。
殺人の一貫性についても疑問が残る。
当時は、5人の女性が同じ男によって殺害されたと誰も疑わなかった。
しかし証拠を見直してみると、3人目の被害者とされるエリザベス・ストライドは別の人物の手によって殺されたかもしれない。
彼女の殺害に関しては、全てにおいて他の被害者と異なっている。
「まず、殺人が行われた時間が違うのと、それから彼女の喉を切るのに使われたナイフは他の被害者に使用されたものよりずっと小さく、その他の部分も切断されなかったことだ」とMarriott氏は述べている。
「場所も他の殺人と違っていた。殺人は労働者のクラブの真横で行われ、その時クラブには男達が大勢集まっていた」
また、5人目の被害者とされるメアリー・ケリーの死にも重大な疑問が残っている。
「新たな資料から、被害者はメアリー・ケリーではなく、別の人物だった可能性がある」とMarriott氏は述べている。
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