2011/06/29

陰惨な奴隷貿易を物語る廃墟 アフリカ・シエラレオネ共和国

ベンス島の廃墟Credit: Winston-Salem State University
考古学の国際チームが西アフリカでもっとも大きな「奴隷の城」とよばれた遺跡で、300年前の奴隷貿易に関する廃墟を発見した。

遺跡はベンス島と呼ばれる場所で、シエラレオネ共和国の首都フリータウンから30kmほど上流にいったところにある。
この遺跡は北部アメリカの奴隷貿易と密接な関係があったという。

ニューヨーク州のシラキュース大学人類学科長Christopher DeCorse氏によれば、ベンス島は南カロライナとジョージアにあったイギリスの植民地で、米作に従事する奴隷を供給していた主要な輸出地だった。
「米作の技術を有するアフリカの農耕民が島の周辺で誘拐され、城に連れて行かれて船でアメリカに輸送された」とDeCorse氏は言っている。
「我々は島の文化資源を保護するために活動している」
廃墟の外からは枷(かせ)や釘が発見されている。

1805年頃のベンス島の絵
「これらの発見が重要なのは、奴隷の動きを制限するために枷がはめられ、腕と足を縛って乱暴を働かないようにしていたなど、奴隷を運ぶ際に島でどのようなことが行われていたか、ということを遺物が我々に語ってくれるからだ」とDeCorse氏氏は述べている。

釘は国の博物館に寄贈され枷はアメリカに一度運ばれて保存修復処置が行われた後に、シエラレオネ共和国に返還される予定。

ベンス島へは前国務長官コリン・パウエル(Colin Powell)氏も訪れている。
1991年の訪問後、こう述べたという。
「私はアメリカ人だが、それ以上のものだ。私はアフリカ人でもあるのだ。私は自分のルーツがこの大陸にあることを実感する」

Sierra Leone former slave castle yields grim secrets

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