2011/06/19

1000年以上前の球技選手を表した石像が発見される メキシコ

発見された石像
メキシコのサカテカス州の遺跡で、紀元後900~1000年頃の球技選手の巨像が発見されたと国立人類学・歴史研究所が報じた。

エル・テウル(El Teul)という遺跡で、像は深さ1.5mから発見された。
昨年末にも、球技選手の像の存在が同じ遺構群から確認されていた。

2体の球技選手像は、古代マヤの創生神話ポポル・ブフで語られる聖なる双子を想起させる、と研究者は述べている。

また最近では高さ1.75m、径56cmのほぼ円筒形の像が、球技場跡から発見されていた。

像は球技場の壁が崩壊した際に落ちたもののようであり、頭部は失われていて耳だけが発見されていた。

メソアメリカ世界では紀元前1000年頃から独特の球技が行われていた。
場所によって様々な種類があったと考えられていて、今も地元の人々によって行われる「ウラマ」と呼ばれる球技はその流れを汲んでいる。

先コロンブス期の球技場はメソアメリカ中で発見されており、南はニカラグアから北はアメリカのアリゾナまであった。球技場の大きさはまちまちだが、共通するのは壁によってはさまれた細長いスペースがあり、そこで競技が行われる。

競技には儀式としての側面があって、公式的なゲームは宗教的な儀式として開催され、時代によっては、敗者が生贄として捧げられることもあったという。

エル・テウル遺跡は紀元前200年から16世紀前半のスペインによる征服にかけて、継続して居住が行われていた数少ない遺跡の1つ。
半遊牧生活を営み、スペインのコンキスタドールに激しく抵抗したカクスケーン(Caxcane)の宗教的センターだった場所と考えられている。

双子の像の内1つは最初から首がない形で作られていた。
これは神話ポポル・ブフに登場する双子フンアフプーとイシュバランケーに該当する可能性がある。
神話の中では、フンアフプーが首を失ってしまうくだりがある。

19世紀の中ごろにドイツによって作成された正確な地図では、エル・テウル遺跡で先コロンブス期の建造物が記録されており、その中には4つの角に彫像がある球技場も含まれていた。

球技場は44m×24mの広さがあり、15%はまだ未発掘の状態である。
2012年には一般に公開される予定だという。

Ancient Monolith Depicting Ballplayer Found in Mexico

写真引用元も上記リンク

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