2011/06/18

人間の排泄物からわかる古代ローマ人の生活 ヘルクラネウム遺跡

ヘルクラネウムの通り
イタリアのヘルクラネウム遺跡で、2000年前のローマ人が古代の下水に残したものから、彼らの生活を解き明かそうとする試みが行われている。

ヘルクラネウムは現在のイタリア南部・カンパーニャ州エルコラーノに位置しており、紀元後79年にポンペイをはじめとする諸都市を破壊したヴェスビオ火山の噴火によって埋没した遺跡である。

ヘルクラネウムの保存プロジェクトに参加している専門家達は、古代の下水の発掘を行っており、そこは古代ローマの遺跡の中でも最も有機遺物が豊富な堆積であることを発見した。

排泄物の層が火山の泥の層の下に何世紀にも渡って保存されており、古代ヘルクラネウムに住んでいた人々の食生活や健康を知る新たな手掛かりになるという。



保存プロジェクトのマネージャーであるJane Thompson氏によると、発見された人間の排泄物は大袋750分になっているとのこと。

「この排泄物を調査し、下水の上にある建物の住人や労働者と結びつけることで、彼らの生活や食べていた物の種類、行っていた仕事についてもっと詳しく知ることができる」とThompson氏は語る。
ヘルクラネウムの遺構
ヴェスビオ火山が噴火した当時の都市の地下には、下水による効率的な排水システムが備えられており、町の南北軸方向に走る通りに下水の設備があった。深さは1m、幅60cm程で、下水は町から海岸まで続いていた。

カルディオⅢ通りの下水はすでに高圧ポンプによってくみ出しており、すでにきれいな状態になっている。

一方で、カルディオⅤ通りでは、深さ3.6mもある、巨大なトンネルになっていることがわかった。
スペースが広いことから、高圧ポンプを使用せず、人間が中に入って作業ができるという。

調理用の壺があるキッチン
下水の発掘はこれまで十分に行われていなかったために、この発見は重要になるという。
86mに渡る下水で、全体に渡って深さ50cmほどの有機物の堆積が残っていた。
トンネルは、上にあった家や商店のトイレやキッチンから排水が流れ込むようになっていた
まるで人間の排泄物、食べ物のカス、ゴミによる巨大なタンクの様相を呈していたわけである。

170箱に及ぶ土器やランプなどの遺物、60枚の硬貨以外に、骨のピン、ネックレスのビーズ、宝石で飾られた金のリングなどが発見されている。
それらよりも、有機物の堆積こそが、革新的な研究成果の材料になるという。

すでに一部の分析が行われている。糞には野菜の繊維が多く含まれており、サンプルの1つは白血球数が多くなっていることが明らかになった。
調査者によれば、白血球数の増加はバクテリアの感染を示しているという。

今後の研究の進展に期待が持てる。

Archaeologists find new gems in ancient Roman waste



1 件のコメント:

  1. 巨乳大好き深百2013年4月7日 16:10

    スゴス❢㋳バス❢キャーす❢

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