2011/06/24

クフ王の第2の太陽の船・日本隊による発掘開始 エジプト・ギザ

古代エジプト第4王朝のクフ王のために建造され、4500年以上もギザのピラミッド脇に埋められていた大型の木造船「太陽の船」の2隻目の発掘作業が23日、カイロ郊外のギザで始まった。
第2の太陽の船が納められた溝の内部
太陽の船は長さ約30mの細長い溝の中に入れられており、上には41に及ぶ直方体の石材で蓋がしてあった。
今回その蓋石が取り上げられ、4500年間納められていた船の木材が、初めて直接人の目にさらされることになったのである。石蓋は重さ16トンに及ぶ。


展示されている第1の太陽の船
古代エジプト人は太陽を「ラー」という神として崇め、太陽神は船に乗り天空を航行していたと考えられていた。
太陽神と同一視されていたファラオはこの船に乗り、永遠に航行を続けるとされていた。
ピラミッド脇に埋められた「太陽の船」は、ファラオの乗り物として埋められていたのである。

クフ王のピラミッドの南側には2つの木造船が埋められていた。
1つ目は東側のもので、1954年にKamal el-Mallakhによって発掘が行われた。
船はバラバラの状態で、第2の船と同様に細長い溝状の穴におさめられていた。
部材は全部で1224個だったという。

エジプト人Ahmed Youssef氏による保存修復と復元が行われた。埋められていた場所のすぐ上に博物館が建設され、その中に復元された船が展示されている。
船は長さ43.6m、幅5.9mもある巨大なもので、復元作業には13年かかった。
実際に進水したかどうかについては議論が行われている。

今回は発見されたものは、その西側にあるもので、「第2の太陽の船」と呼ばれている。
1986年に、早稲田大学の調査隊による電磁波地中レーダー探査によって存在が確認されていた。
その後の調査で木材のサンプリングが行われ、取り出された木材の樹種同定と年代測定が行われた。
その結果、木材はレバノン杉と同じヒマラヤスギ属であり、年代は2650~2620年前(クフ王の在位年代よりもやや古い)ということが分かっていた。

蓋石を取り外した後に部材の取り上げを行い、第1の太陽の船と同じく、復元作業が行われるようだ。第1と第2の太陽の船で同じ形をしているのか、それとも違う要素があるのか、今後の研究の進展が待たれる。

Second Solar Boat Rises From the Grave 
プロジェクト紹介:クフ王の第2の太陽の船(早稲田大学エジプト学研究所)



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