2011/06/06

鉛を用いた新しい年代測定方法を開発 スペイン・バレンシア大学

金属でできた考古遺物の年代を測定する方法は数少ない。

スペイン・バレンシア大学のAntonio Doménech-Carbó氏が率いる研究チームが、鉛が含有された遺物に対して、ボルタンメトリーと呼ばれる方法を用いた年代測定方法を開発した。
新しい年代測定の補正に利用された鉛遺物(文字が刻まれいている)
鉛が含まれた考古遺物は数多くあり、例えば漁猟用の網、錨、水道管、宝石、像などにも含まれている。
開発された手法は、幅広い種類の遺物に対する年代測定が可能になるという。



一般的なボルタンメトリーの分析では、ナノグラム程度の試料に対して正と負の電圧をかける。
その後酸化・還元反応が起こった試料の金属に流れる電流を測定する。

ボルタンメトリーを鉛の考古遺物の年代測定に応用するには、腐食した鉛に含まれる2つの構成要素、酸化鉛と二酸化鉛によって生成される電子の量を数える。
鉛は時間の経過とともに、この2つの要素が増加していく。
試料の年代の決定には、試料の電流、試料にかけた電圧、腐食にかかった時間の数学的な関係を利用する。

Doménech-Carbó氏らは、年代がすでにわかっている鉛製品を用いて、年代測定の補正を行っている。
対象となっている鉛製品は、これまでのところ紀元前5世紀から現代までのものである。
この新しい年代測定方法では、鉛製品の年代を150年以内の誤差で特定できるという。

Lead artefacts reveal their age

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