新たに建設された墓地(背後はサッカラの階段ピラミッド) |
デモのドサクサにまぎれて、カイロのエジプト考古学博物館には暴徒が乱入、展示遺物の一部が盗まれるという騒ぎがあった。
2月にデモは収束しているものの、遺跡の警備は手薄になっており、その後も文化遺産の盗掘・盗難が相次いでいた。
エジプトの考古省の大臣となった、エジプト人考古学者ザヒ・ハワス氏は、自身のブログで被害の状況についても伝えてきた。
ブログの先日の記事で、遺跡の近くに住んでいてる人々が、革命の混乱に乗じて、遺跡の上に現代の墓地を築いていることを報じた。
記事によると、エジプト古王国時代(紀元前2686年~2185)のファラオ、ペピ1世、ペピ2世、ジェドカーラー・イセシのピラミッドがある遺跡で、500もの現代の墓地が築かれており、ジェドカーラー・イセシのピラミッドの参道にはモスクが建てられていた。
また、古代のエジプトの首都にもなったメンフィス遺跡の地、ミート・ラヒーナでは、やはり広大な現代の墓地が作られていた。またアブ・シール、リシュト、ルクソール西岸やその他の地域でも墓地が新たに遺跡の場所に作られているという。
現在、考古省、警察、軍隊によって新たに建てられた墓の撤去が行われているとのこと。
エジプトは自国の文化遺産による観光産業で潤っている。
一方で、今生きている人々の墓の確保も、重要な課題と言える。
今回のエジプト政府の決断は、議論を呼びそうである。
Good News for Antiquities Protection - The removal of a modern cemetery built above the oldest capital in the world
写真引用元は上記リンク先
0 件のコメント:
コメントを投稿