2011/10/26

保存状態の良い元寇船が発見される 長崎県松浦市鷹島町沖

日本の鎌倉時代中期に中国大陸を支配していたモンゴル帝国。
元寇(蒙古襲来)と呼ばれる、モンゴル帝国による二度にわたる対日本遠征は、日本史の教科書に必ず載っている有名な出来事だ。
長崎県松浦市鷹島町の沖合で、この元寇でモンゴル帝国が使用した船が、構造を保った状態で発見された。
CREDIT:琉球大考古学研究室

10月24日に琉球大法文学部の池田榮史教授(考古学)は長崎県庁で正式発表し、現場の映像を公開しながら説明した。船の全長は20メートルに及ぶという。


現場は、元寇に関連する遺物が多く見つかっている場所で、鷹島海底遺跡と呼ばれている。

以下、長崎新聞の10月25日の記事の引用。
水深20~25メートルの海底を約1メートル掘り、船底の中心を船首から船尾まで貫く「キール」とその両側に並ぶ「外板(がいはん)」が出てきた。

キールは幅約50センチの木材で、途中で切れていたが、東西方向に計約12メートルを確認。その両側は中国船に用いられていたしっくい状の塗料で固められ、その外側に船底を形作る外板の木材が2~5メートル並んでいる。

キールや外板の上には、船のバランスを取るために積んでいたとみられる中国のれんが「磚(せん)」や中国製陶磁器の破片が数百個散乱。すずりや銅銭なども出土した。

研究チームは9月末から23日まで南北10メートル、東西15メートルの広さを発掘。船体の部材は範囲外にも広がっているとみられ、来年度以降も範囲を広げて発掘するとともに、同遺跡内の別地点も調べる。

船底部の引き揚げについて、池田教授は「これだけの規模、構造だと科学研究費では難しい。(研究費の対象期間である)5年間の調査で情報を取りためた後に、どういう保存、活用がいいか決めたい」とし、現場は銅製の網などで覆い保存したという。

全長20メートル超か 鷹島沖で発見の元寇船

動画も公開されている。




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