2011/10/12

デジタル技術で甦る海に沈んだ都市 ギリシア・パヴロペトリ

 庭付き一棟二軒の家、庭に干された服、壁や道路・・ギリシア南東岸にあった青銅器時代の郊外の都市パヴロペトリの姿が、デジタル技術を駆使して3次元で甦った。
パヴロペトリは海中から発見された5000年前の都市であり、道路、建物、墓を含めた街全体の構造が、ほぼ完全な姿で残されていた稀有な例である。
街への居住は紀元前2800年頃から開始され、海中に沈んだのは紀元前1000年頃と考えられている。

1967年に発見され、2009年にはソナーを活用して海中の構造物を3次元的に記録し、地図を作成する作業が行われていた。

パヴロペトリの広さはおよそサッカーの競技場8つ分あり、道路が縦横を巡り、道路沿いには一戸建てや一棟二軒の二階建ての家屋が並んでいた。
公共のものと考えられる大きな建造物があり、水路や雨樋を含む複雑な流水のシステムが存在していた証拠もある。

街のパノラマ画像
建物の間には石積みによる墓が点在しており、いくつかは壁の一部と化している。
一方で、街の外には整理された墓地が広がっていた。

街に居住していたのは農民だけではなく、人々は専業を持ち、階層化された社会であった。
街には指導者、役人、書記、商人、工芸職人、戦士、船乗り、農民、羊飼い、そしておそらくは奴隷がいた。
青銅器時代のギリシアは階層化され、組織化されており、人々はそれぞれ明確な役割を有していたと考えられている。

より詳しい情報については、下記のリンクを参照してほしい(英語)
The Pavlopetri Underwater Archaeology Project

今後、現実的に公開が難しい遺跡に対する、こうした形の復元と展示は数を増していくだろう。

Pavlopetri: A window on to Bronze Age suburban life



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