2012/03/29

古代ギリシアの医学の神アスクレピオスの聖域を発見

ギリシア中央部の高速道路建設に伴う発掘調査で、古代ギリシアの医学の神、アスクレピオスの聖域が発見された。
遺跡はアテネから北へ200km、古代の港街ダフノウンタ(Dafnounta、現在のラミア市付近)の近郊に位置している。
アスクレピオスの像(ナポリ国立考古学博物館所蔵)
紀元前5世紀に年代づけられるもので、アスクレピオスの祭祀に関わる遺跡では最古級のものであり、これまでギリシアで発見されたものの中では最も保存状態が良いそうだ。平面の規模は30m×15mある。

遺跡は2005年から2007年に行われたパトラス-アテネ-テッサロニキを結ぶ高速道路建設の際に、存在が確認されていた。
ギリシアの歴史家ストラボンは紀元後1世紀にこの地を訪れ、記録を残している。
アスクレピオスの聖域とされた根拠は、ヘビ形の供物と宝石、アスクレピオスの名前が書かれた土器片が発見されたことである。
アスクレピオスは太陽神アポロンの子であり、ヘビが巻きついた杖を持っていた。
このアスクレピオスの杖は今でも世界的に医学の象徴となっている。

聖域はちょうど高速道路の建設予定場所にあるため、石は1つ1つクレーンで取り上げられ、近傍に移設されている。
調査を主導している考古学者Maria-Fotini Papaconstantinou氏は、発掘について「時間との戦い」と述べている。
調査には期限が決められており、遺跡にブルドーザーが入る前に遺構や遺物の記録と移動を終えなければならない。
「本来は2年かかるところを、6か月でやっている」とPapaconstantinou氏は語っている。

Greeks find remains of healing sanctuary


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