2012/03/05

謎のファラオの名が刻まれた門を発見 エジプト・カルナック神殿

セン・ナクト・エン・ラー
エジプト・ルクソールのカルナック神殿で、これまで実在が確認されていなかったファラオの名前がフランスの調査隊によって発見された。まだ謎の多いエジプト第17王朝のファラオのようだ。

当時は第2中間期と呼ばれ、エジプト北部は「ヒクソス」と呼ばれるアジアからの侵入者が占拠していた。
このヒクソスを打ち破り、古代エジプトを全盛期へと導く礎となったのが、この第17王朝の王達だ。


名前は石灰岩の石材で作られた門に刻まれており、「セン・ナクト・エン・ラー(Sen-Nakht-En-Re)」と書かれていた。
このファラオの名前はラムセス王朝期の史料と、アハメス王の治世の史料に残っていたが、想像上のファラオと考えられていた。
アハメス王は、ヒクソスをエジプトから追放し、第18王朝の最初のファラオとなる人物である。

「セン・ナクト・エン・ラー」が想像上の王とされていたのは、この王の名前が記された建造物がこれまで発見されていなかったからだ。
今回の発見は、この王が実在した強力な根拠となる。

「セン・ナクト・エン・ラー」の王名以外にも碑文が刻まれており、門に使用されている石灰岩の建材がトゥラ(現在のカイロの南、ヘルワン近郊)から運ばれたことに言及していた。
トゥラは当時まだヒクソスが支配している範囲だった。

エジプトの考古省は、この時代についてのさらなる情報収集に向けて、フランス隊の隊長Christophe Thiers氏に調査を継続するよう要請している。
カルナック神殿はエジプトでも最大級の規模を誇り、観光名所でもあるが、完全に発掘されてはいない。
まだ隠された謎があることは疑いないようだ。

Gate found in Karnak Temple adds new name to ancient kings' list


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