2012/02/03

ミクロネシアの人々はどこからやってきたのか? テニアン島の調査

太平洋、ミクロネシアの人々はいったいどこからやってきたのか?
北マリアナ諸島にあるテニアン島で、手掛かりを求めて調査をしている人々がいる。
テニアン島は第一次世界大戦後に日本の統治領となり、太平洋戦争の際にはアメリカ軍が占領し、日本の本土空襲の起点となった。広島、長崎への原爆投下を行ったB29も、ここから発進しており、日本にとっては縁の深い島でもある。
タガ遺跡の風景 看板は日本語でも書かれている。

テニアン島のタガ遺跡では、巨石による遺構が20世紀中頃の調査によって発見されていた。
オーストラリア国立大学のMike Carson氏は、このタガ遺跡で発掘調査を行っており、2011年の12月にこの地で特徴的なマリアナ赤色土器を大量に発見した。
赤色土器は薄手で、特徴的な幾何学文様が施されている。

今から3000から3500年前、アジア地域の海抜が下がり始めた。
現在の中国南部やベトナム、タイ、フィリピンなどアジアの海岸地域に住む人々は、海抜が下がり始めると、生活に必要なものを求めてより遠くに移動する生活を強いられたと考えられている。
海抜の低下はマングローブ林から食料を得ていた人々を一掃し、彼らはより広範囲に移住する結果になった。
そしてマリアナ諸島に辿り着いたのである。

言語学的分析と考古学的調査の結果から、マリアナ諸島の人々はフィリピンから数千年間に渡って繰り返し移住してきた人々の末裔である可能性が指摘されている。
移住してきた人々は共通の言葉と文化を発展させ、それがチャモロ文化となった。

Carson氏らは高床式の住居の柱穴や炉の跡を発見している。
このことは、これまで考えられていたよりもずっと長い期間、この地域に人々が滞在していたことを示しているという。

Carson氏らによる今回の発見は、今後この文化を研究する人々のための膨大なデータベースとなることが期待されている。

Archeologist uncovers ancient pottery


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