2012/02/06

地下鉄工事で発見された膨大な遺跡の数々 ギリシア・テッサロニキ

ギリシア、テッサロニキの地下鉄工事で、2000年以上の期間に渡る膨大な量の遺構と遺跡が発見されている。
発掘現場の一部 Credit: Greek Reporter
内容は金製品からベンチ、日々の生活に使われていた遺物、教会の遺構など様々だ。
この地域は紀元前4世紀にアレクサンドロス大王によって創建されて以来、現在にいたるまでコンスタントに居住が行われており、多種多様な文化、時代による歴史の「モザイク」が掘りだされたのである。

テッサロニキはローマ時代とビザンツ時代にとりわけ栄えていたようだ。
ビザンツ時代、テッサロニキはコンスタンチノープルに次ぐ第2の都市であった。
大理石によって舗装された道路が街を縦横に巡り、下水の設備も整えられていたという。

古代の町の中心部にあたる、セイント・ソフィアとヴェニゼロスの2つの地域で発掘が進行している。
ビザンツ時代の2つの層まで発掘が完了しており、今後はさらに深くまで掘り進む予定。
すでに2500平方メートルに及ぶ古代の街を発掘している。

遺物はすでに28000点以上、そのうち器は5000点、ガラス製品が5000点以上、1500点以上の宝石、130以上の看板、400以上の人形などがある。
中には8点の金の冠もあるという。

しかし一方で、大量に発見された遺物の保存処置、保存場所をどうするか、という問題が浮かび上がっている。
ギリシアの文化省の大臣は、出土品の保存にかかる費用は計り知れないと述べている。
たび重なる遺跡の発見によって、地下鉄工事プロジェクトも遅れているようだ。
地下鉄工事による緊急発掘の費用は、当初1500万ユーロと見込まれていたが、これまでに4800万ユーロもかかっており、先も見えない状況だ。

考古学的大発見も、うれしい悲鳴ばかりではない。国の財政難の状況ではなおさらだろう。

Countless Treasures Found in the Excavations for the Subway in Thessaloniki


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