2012/02/13

幻の王国「Tuwana」の大遺跡を発見 トルコ

トルコ、カッパドキアの南部にあるキニク・ホユック(Kınık Höyük)で、文献でしか確認されていなったツワナ(Tuwana, Tyana)の広大な遺跡が発見された。
この発見は、イスタンブールで行われた記者会見で、イタリアパヴィア大学とニューヨーク大学の合同調査隊を率いているイタリア人考古学者、Lorenzo d'Alfonso氏によって発表された。
カッパドキア南部の風景(背後に見えるのはトロス山脈)
Credit: Department of Antiquities, Orientalistic Studies, Pavia University

遺跡は紀元前1千年紀の最初の時期にあたるという。
ツワナはこれまで象形文字やアッシリア帝国のいくつかの文献でしか言及されていなかった国であり、その存在が考古学的に確認されたのは初めてのことだ。

d'Alfonso氏によると、遺跡は後世の撹乱を受けていない、完全な状態で残っているという。
遺跡は少なくとも24ヘクタールあるが、現地での踏査の結果では、81ヘクタールにも及ぶ可能性があると述べられている。
今後は、この王国がどのような文明に属し、この地域においてどのような役割を担っていたかを解明することが目標に掲げられている。

カッパドキア南部はキリキア峠があり、アナトリア半島の東西の交流路であるとともに、ヨーロッパとアジアを結ぶ要衝でもあり、極めて重要な立地にある。
おそらく当時の世界で最も重要な交流路の1つであり、キニク・ホユックはその中心に位置している。
ツワナはフリギア(アナトリア半島中西部に位置していた王国)とアッシリア帝国との間にある緩衝地帯であり、その立地の重要性からとりわけ裕福な国家に成長した、とd'Alfonso氏は述べている。

2010年に行われた磁気探査では小高い丘陵の中心部に壁体や建造物などがあることが確認されていた。
発掘では高さ6メートルに及ぶ建造物の壁体が、非常に良好な状態で発見された。
表面に塗られていた漆喰までも残っているという。

最終的に、この遺跡そのものが展示物となるオープン・エアの博物館の建設が計画されているそうだ。

Archaeology: Acropolis of forgotten kingdom uncovered


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