2012/02/20

エジプト・クフ王の「第2の太陽の船」プロジェクト第2期開始 早稲田隊も参加

エジプト・ギザで20日に行われる国際記者会見で、エジプト考古省大臣Mohamed Ibrahim氏によってクフ王の「第2の太陽の船」プロジェクトの第2期を開始するという声明が出される模様だ。Ahram Onlineが2月16日に報じた。
このプロジェクトは、早稲田大学の調査隊と合同で行われている。
写真はクフ王の第1の太陽の船
調査チームは20日に船の木材サンプルの取り上げを行う。
サンプルの分析の結果から、船の復元に向けた詳細なプランを練り上げる予定だ。

「第2の太陽の船」が埋まっている竪坑の上に巨大なテントが建設されており、さらにその中に小さなテントが竪坑の真上に築かれているという。
テントは分析や保存修復の段階で木材を傷めないよう、特種な設備が備え付けられている。

クフ王の「第1の」太陽の船は、1954年にエジプト人考古学者Kamal El-Malak氏によって発見された。
木材はばらばらの状態だったが、その後エジプト人技師のAhmed Youssef氏が20年の歳月をかけて復元を行い、今ではピラミッドの傍らにある博物館に展示されている。
全長42.3m、全幅5.7mに及ぶ巨大な木造船であり、作られたのは4500年前になる。

1987年には、早稲田大学の調査隊が、第1の船が発見された竪坑の西隣で電磁波レーダーを用いた地中探査を行い、存在を確認した。
1987年10月にはアメリカ隊がファイバースコープを石蓋に開けた穴から挿入することにより中の様子を撮影しており、6年後の1993年にはアメリカ隊が開けた穴に早稲田隊がマジックハンドを挿入、木片を採取することに成功していた。

第1期では4500年もの間船の竪坑をふさいでいた41の巨大な石蓋を取り上げる作業が行われた。

クフ王の第2の太陽の船・日本隊による発掘開始 エジプト・ギザ(本紙2011年6月24日の記事)

その結果、石蓋には古王国時代第4王朝のクフ王や、その息子であるジェドエフラー王のカルトゥーシュ(王名が書かれる枠)が書かれていたことが判明した。

早稲田隊は隣接する博物館から船の竪坑に水が入り込んでいたことを発見していた。
この水の流入が船の木材に悪影響を与えており、木材の分析と取り上げ、修復作業が急がれる原因となっているのである。

2nd phase of Khufu solar boat project to begin Monday


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